ロッキンチェアー

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ロッキンチェアー

 ロッキンチェアーはセンチメンタルの達人だ!デビュー曲「思い出はいらない」を聴いてそう思った。Vo&Gの岡村直人を中心としたこの"ロッキンチェアー"というバンド、とにかく気持ちの中の"切なさ中枢"を刺激しまくるのである。しかも容赦なし。メロディ、歌詞、アレンジ、歌声、どんどん攻めてくる。あまりの切なさにちょっと涙がこぼれそうな勢いだ。いや、大袈裟じゃなくて。それ以来「思い出はいらない」は私の心のベストテンNO.1に君臨してしまった。
 しかし、ここに来てNO.1に変動あり。いやはや、またもやロッキンチェアーなのである。2ndシングルとなる今作「レター」はシンプルなギター中心のアレンジが、岡村の切ないメロディを一層引き立てる楽曲。キャッチーなんて言葉じゃ収まりきらないぐらい"多くの人の心を掴む"ことが出来る、間口の広い音楽だと思う。だけど聴けば聴くほど深みにはまっていくのは、一筋縄ではいかない彼らの音楽センスの成せる技か?
 「思い出はいらない」はカウンターパンチ即K.Oだったが、「レター」はボディブローがじわじわ効いてくる感じ。どっちにしても、つまるところ"やられた!"なんだけど。センチメンタル・ストレートを武器に、ゆけ!ポップ・ミュージック界のハード・パンチャー!

Text by 鮎川夕子(編集部)
(初出『Groovin'』2000年7月25日号)

『レター』
ロッキンチェアー-J.jpg




Maxi Single
東芝EMI
TOCT-4228
¥1,048(税抜)
7月28日発売

Vo&Gの岡村直人を中心とする"ロッキンチェアー"の2ndシングル。TBS系ドラマ「20歳の結婚」エンディング・テーマとしてオンエア中。1度聴いたら頭の中を離れないメロディにはソングライターとしての彼の非凡さを感じる。


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