木村由姫

浅倉大介プロデュースにより
いくつもの違った表情を見せてくれる木村由姫の
セカンド・シーズン。

（初出『Groovin'』2000年8月25日号）

　元アクセスの浅倉大介が全面プロデュースしてデビューした木村由姫。彼女の7作目となる最新シングル「LOVE & JOY」はのっけから浅倉らしいデジタルのビートによるアップテンポのナンバー。現在放送中のドラマ「花村大介」（関西テレビ・フジテレビ系全国ネット火曜よる10時ドラマ）でのユースケ・サンタマリアが明るく、困難な事件を解決してゆく爽快な内容ともマッチしたスピード感とポップさが見事に融合した楽曲。彼女自身も「一生懸命、元気に跳ねるような歌い方にチャレンジした」という意欲作となっている。どちらかというと過去のシングル曲のイメージでは無機質というか不思議な空気感が漂っていたが、今作では何か吹っ切れたような明るさというか底無しの明るさで「ハジケ」ている。前作「Deep sky heart」のプロモーション・ビデオではふとした笑顔に彼女の「やさしさ」や無邪気な性格が出ていたように思われたが、N.Y.で撮影された「LOVE & JOY」のビデオでは摩天楼をミニ・バイクでさっそうと駆け抜けていく様子が収録され楽曲の空気感も表現されている。
　昨年8月に発売されたデビュー・アルバム『First Season』からちょうど1年が経つ今回の2ndアルバムでは、シンガーとしてこの1年間に吸収した全てのものが様々なカラーで表現されている。プロデューサーの浅倉大介が「会うたびに違った顔を見せる」と、かつて語ったようにアルバムのなかで同じ明るい楽曲でも、また新たな魅力を発見できる。6色の色鉛筆から12色の絵筆に持ち替えたような表現の幅と確かな自信も感じられる。また、この1年で特に感じられるのはジャケットやグラビアのヴィジュアルでみせる彼女の表情の豊かさ。デビュー・アルバムでのナチュラルな表情から、最近ではオトナの色気を感じられる写真が多くなったようで、今作のブックレットの写真も是非期待してほしい。あなたは何色の由姫ちゃんをこのアルバムで感じられるでしょうか?