洞口桃子

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洞口桃子

夏の暑さもぶっ飛ばすようなヴォーカルを聴いてみたくはないかっ!?
圧倒的な存在感で迫り来る超ド級スケール120%オーバーのハスキー・ヴォイス!!
今年の夏は洞口桃子が熱すぎるー!!

(初出『Groovin'』2000年8月25日号)

 「パワフルだなー。うん、すっげーパワフル!」。これが、今回の洞口桃子の3rdシングル・タイトル曲「泣いてったって」を初めて聴いたときの第一印象。と言うか、正直、第一も第二も第三もなく、ただただそう感じた。
 えー、ではまず彼女のことをよく知らない方の為に、軽く今までの経歴を紹介。今年の初めにデビュー・シングル「NUDE」をリリース。なんと、これがあるダンス系音楽番組のクラブ・チャートで堂々10位のスマッシュ・ヒットを記録。その約2ヶ月後の4月のアタマには早くも2ndシングル「Do Me Right」をリリースすると、これまたアナログが完売、各地FM局でのヘヴィ・プレイと、確実にソノ存在をシーンに知らしめた。そして、今回テレビ朝日系ドラマ「OLヴィジュアル系」主題歌タイアップを引っさげての3rdシングルのリリースとなる。どお、凄いでしょ?
 さて、この曲、プロデューサーは前作に引き続きMAX等を手掛ける笹本安詞が担当。で、割とクラブ・シーンを中心に活動、認知、そして評価も高まってきているんだけれど…曲調はコレ、うーんロックっぽい。そう、踊れるロック! ユーロビートでもR&Bでもない !!
 冒頭でも書いたとおり、とにかく彼女のヴォーカルはパワフルで1度聴いたら離れない。ディスコや大バコ系のクラブで聴いたら絶対テンション上がるはず。間違いないよ。でもね、これほどまでに聴き手を引きつけるには、単にパワフルなだけでは当然ダメ。上っ面だけのカラ元気ならシロウトがカラオケでも出せるモン。じゃあ、その要因は何か?それは、彼女がこの曲を完全に自分のモノにして歌い切ってるってこと。そもそもソコがプロとアマの違いであり、またそうでなければプロとしては失格なんだけど、彼女の場合はズバ抜けてる。本当にデビューして半年か?と思わせるほど堂々としていて貫禄すら感じられる。だーかーらー、聴いていて気持ちイイんだよね。
 それともうひとつ、この曲の魅力は、よくよく耳を傾けると見えてくる詞の世界。それは失恋した相手への思いを断ち切れずにいる女性の、一途で複雑な気持ちを素直に歌った悲しいラヴ・ソング。これ実は彼女自身による作詞であり、彼女の経験や恋愛観などが反映されているらしく、非常にリアルな雰囲気を描いている。また、聴き手側がさらに深く読み取る(もちろん、それぞれの解釈でOK)ことによって等身大の洞口桃子自身を感じることも難しいことではないはず。それほどこの歌詞には彼女の思いが感じられるってこと。
 ただ、やっぱりこの曲はあれこれ考える前に、まずはその圧倒的なヴォーカルを堪能するのが正しいのかも。耳で、カラダで、ココロで、思いっきり楽しんじゃう。そしたら次は歌う!カラオケで。やっぱり自分たちで歌って盛り上がれるかどうかってのは、今じゃCDを買う時に決め手になる大きな要因のひとつだよね。大丈夫です。バッチリ、イケてます。
 うーん、またアルバムが楽しみなアーティストが1人増えましたね。でも、その前にぜひシングルを全部聴くのをオススメします。だって本っ当にイイから。最近バラードなラヴ・ソングがポップ・チャート上位を賑わしていたけど、夏はパンチのある歌が似合うよね。だってもう桜は咲いてないかわりにアッツイ夏が今年もやって来たのだから。

Text by 並木仁(朝霞店)

『泣いてったって』
洞口桃子-J.jpg




Maxi Single
日本コロムビア
COCA-15361
¥1,000(税抜)
発売中

飛ぶ鳥を落とす勢いで早くも3rdシングル。とくれば、そろそろ気になりますな、アルバムが。本シングルはソレを予感させるかのように異なるタイプの3曲を収録。彼女のキャパシティーを十二分に感じることが出来るはず。どの曲もレベル高し。

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