スケボーキング

ARTIST PICK UP

スケボーキング

この勢いは、もはやクラブ・シーンだけにとどまらない!!
日本のミュージック・シーンを熱くするストリート・パワー炸裂!
Yo-Yo-Yo, What's up?

(初出『Groovin'』2001年9月25日号)

 それにしても、このところのストリート・ミュージック勢はすごく元気だ。ラップ、HIP-HOPと言えば、数年前までは一部のコアなファンの支持はあったが、昨今のR&Bブームの影響も手伝ってか、ブラック、ストリート・カルチャーがかなり一般的に浸透してきている。まさに「満を持して」登場したのが、あのDragon Ashだ。彼らに続けと言わんばかりに現われたのがZEEBRAとこのスケボーキング。メジャー・デビューこそ今年だが、95年の結成以来クラブ・シーンを中心に活動を続け、インディーズとして発売された作品には朝本浩文をはじめ、スチャダラパー、小西康陽、東京スカパラダイスオーケストラの冷牟田竜之など、第一線で活躍中の錚々たるメンバーがリミックスを手掛けていたのだ。このことからも彼らに対する期待、注目度の高さを伺い知ることができるだろう。
 この新人ながら大物を予感させる彼ら、メンバー構成は、MCが2人とDJ、ギター、ベース、ドラムの6人編成だ。2MC+DJにバンドの音を融合させることによって、彼らの音楽性の幅を広げている。現在の音楽シーンを見渡してもビースティー・ボーイズくらいしか見当たらない、まったく新しい形態のバンドであると言えるだろう。この形態、CDはもとより、ライヴでその魅力を発揮する。バンドのグルーヴに乗せてカラむMCがオーディエンスをあおり、あっという間に会場の空気が上昇していく。つい先日のライヴでも会場に人が収まりきらず、入場制限されたほどの人気だ。
 そして、話題性の面でも前に記した通りだが、なにしろデビュー第1弾がシングルではなくアルバムで、しかもいきなりベスト・アルバム。(まぁ、インディーズから通して考えると話もわかるが。)さらに、彼らの横のつながりの大きさにはもっと驚かされる。第1弾シングル「EPISODE 1」ではKjことDragon Ashの降谷健志が参加、オリコン初登場17位を獲得している。サビの部分のラップのくり返しが印象的な、ライヴで盛り上がる曲だ。第2弾シングルとなる「Finally」はあの坂本龍一の愛娘、坂本美雨をフィーチャ−、リミキサーとしてLUNA SEAのSUGIZOが参加している。坂本のクラシカルで美しいメロディに乗せて歌われる幻想的な歌詞にMCが絶妙にカラみ、宇宙的なスケール感を漂わせる曲である。このほかにもMIHOや、ひふみかおりの作品にも参加しており、彼らの才能の幅広さを感じさせると共に、アーティストとの交流の相乗効果によって、彼らが今後さらに磨かれていくことも期待できる。
 そして8月にリリースされた3枚目のシングル「Child's Replay」はTBS系TV「新ウンナンの気分は上々」のエンディング・テーマとしてタイアップし、一気にお茶の間での知名度も上がることだろう。
 この相次ぐリリースと、夏のツアーにたたみかけるように今回発売されるアルバム『MAGIC MOMENT... 』はシングル曲3曲を含み、HIP-HOP初心者でも聴きやすい作品に仕上がっている。前回のアルバムからわずか9ヶ月という早さ、まさに今が「旬」の彼らのスピードに乗り遅れるな!!

Text by 谷口郁子(玉川高島屋店)

『MAGIC MOMENT... 』
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CD
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCV-10100
¥2,913(税抜)
9月27日発売

夏のツアーから秋の学園祭にかけて、ひっぱりだこで大忙しの彼ら。もしかしたら、あなたの街にもやってくるかもしれませんよ。今のうちにアルバムもしっかりチェキッておくべし! ♪今日できることは明日すんな、明日もし死んだらどーすんだ!?

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