山本美絵

ホントのことってなんだろう?真実って何処にあるんだろう?
悲痛な叫びが「○○ゴッコ。」のなかにはある。

BRAND NEW ARTIST
山本美絵

 真実に触れるとき、人は痛みや傷をともなわずにはいられない。だからみんな嘘をいっぱいついて生きている。大嘘つきでいることが幸せの近道なんだもん。しょうがないじゃん?だけど、ここに傷つきながら真実に触れようとしている人がいる。山本美絵、8月にマキシ・シングル「カーネル」でデビューし、今作「○○ゴッコ。」が2枚目のシングルとなるシンガー・ソングライター。
 まず何よりも心に引っかかるのはその詞。〜世の中すべて「○○ゴッコ。」で、みんな演じてるんでしょ?ホントのことは隠してるんでしょ?だから私も大嘘つきなんだよ〜自虐的に思えるかもしれないが、嘘をついている自覚のない大多数の"大嘘つき"は彼女の言葉で我に返るはず。さらに、叫ぶようなヴォーカルとは反対に淡々と静かに流れていくバックトラックが、誰にも止められないこの世界の流れのようでいっそう痛い気持ちになってしまう。聴いた後に残るのは、彼女の純粋さとは対照的な、世間の澱みに慣れてしまった自分…。
 彼女の歌に触れるのならば、覚悟をしておいた方がいい。たかが音楽だと侮らない方がいい。だけど、彼女の真実を求める思いに1度心をつかまれたなら、明日が違うものになるかもしれない…。

Text by 鮎川夕子(編集部)
(初出『Groovin'』2000年10月25日号)

『○○ゴッコ。』
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Maxi Single
リワインドレコーディングス
RWCL-25012
¥1,143(税抜)
発売中

山本美絵の2ndマキシはとにかくインパクトの大きい楽曲。特に日常的な言葉で語られる詞の世界がスゴイ。女性アーティストには珍しい詩人系シンガー・ソングライター。今後の音楽シーンを変えるキー・パーソンとなるか?!


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