角松敏生

ARTIST PICK UP

角松敏生

20世紀最後のクリスマスに、
角松敏生からの素敵なプレゼント。
新生・角松敏生は、この時代を抜きにしては語れない…。

(初出『Groovin'』2000年12月25日号)

角松敏生-A.jpg 98年5月にアーティスト活動を"解凍"し、同年7月のシングル「Realize」から始まったリリース・ラッシュ。99年から2000年にかけてはおよそ半年に1枚のペースでアルバムをリリースと、ファンにとっては嬉しい悲鳴の連続だった。そして、角松敏生の20世紀の音楽活動を締めくくるアルバムが届けられた。それが本作『角松敏生 1988〜1993』である。タイトルからもわかるようにアーティスト活動を"凍結"させた93年にリリースされた『角松敏生 1981〜1987』に続く作品となる。
 正直にいって、僕はこのようなコンピレーション・アルバムをすごく待ち望んでいた。なぜなら、ここには「GALAXY GIRL」「I MUST CHANGE MY LIFE&LOVE FOR ME」などシングル・オンリーの楽曲で現在廃盤になっている曲や、アルバム未収録のシングル・ヴァージョンの楽曲が収録されているからだ。そして、なによりも当時パーソナリティを務めていたラジオ番組のテーマ・ソング「港が見える丘」が、ついにCD初収録となったのがなんとも嬉しい。これだけでも、ファンは買いの1枚。また、熱狂的なファンでない人も、CMやテレビ番組などで聴いたことのある懐かしいメロディが詰まっているので、90年前後の思い出が甦ること間違いなし。そして、この時代がなければ現在の新生・角松敏生を語ることができないのも事実である。最後にファンとして贅沢なことをいわせてもらえば、シングル・オンリーの「もう一度…and then」や、「THE LOST LOVE」の壮大なキーボードのイントロダクションが加えられたシングル・ヴァージョンが今回収録されなかったことが残念だ。
 『存在の証明』で新生・角松敏生として生まれ変わった御大。そして、それは21世紀に於ける音楽の方向性を示すものであった。それだけに今後の活動に期待に胸が膨らむのだが、まずは20世紀最後の角松敏生からの素敵なクリスマス・プレゼントとして本作をじっくりと楽しみたい。

Text by 常盤安信(秦野店)

『角松敏生 1988〜1993』
角松敏生-J.jpg




CD(2枚組)
BMGファンハウス
BVCR-18018〜19
¥3,800(税抜)
発売中

『角松敏生 1981〜1987』に続くコンピレーション・アルバムがついに登場。88年〜93年にリリースされた楽曲からセレクトされ、現在廃盤のシングル・オンリーの楽曲などレア・トラックを含む全18曲の2枚組。目玉はなんといっても幻の曲「港が見える丘」が収録されたことだろう。

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