川村結花

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川村結花

名盤『Lush Life』に続く川村結花のニュー・アルバムが遂に完成。
よりリアルさを増した歌詞が胸に刺さり、珠玉のメロディ群が心を揺さぶる。
またもや名作の誕生。

(初出『Groovin'』2000年4月25日号)

川村結花-A.jpg 最愛の人の、ケータイの番号も暗記していない、そんな、何が"繋がり"なのか理解らない僕達に、リアルな"天使の鼻歌"を送ってくれる、川村結花、待望のニュー・アルバムが完成した。
 心にかかっている霞を、取り除くか、あるいはもっと濃密なもやや霧にして、再度貼りつけるような歌が多い中で、彼女の曲は、その霞を分析する勇気を持たせてくれ、さらにそれを心の中に"癒し"や"栄養"として取り込めるようにしてくれる。まさに"天使"なのだ。
 そのことは、彼女の作曲能力を世に知らしめた、SMAPのミリオン・セラー曲「夜空ノムコウ」を聴いた時から感じていたことで、前作の名盤『Lush Life』で確信となった。
 そして、このニュー・アルバム『home again』では、より一層リアルさと説得力を増したメロディーが、僕達の胸に刺さってくる。珠玉のバラード「全身鏡」や、「だんだんだめになっていく」を聴いているうちに痛くなってくる心が、そのことを顕している。以前よりもライヴ感溢れるサウンド・プロダクションが、音の輪郭をクリアにしていて、またもや"名盤"が誕生した。特に、先行シングルの「Doors」は、彼女のコンポーザーとしての才能が見事に開花した作品で、流れるような切ないメロディに、見事なコーラス・ワークを重ねた名曲である。
 彼女の創る曲には、70年代後半の産業ロックに疲弊したアメリカの音楽界において、なんとか良質で、スタンダードとして残りうる楽曲を送りこもうと日夜努力をしていた"職業作曲家"や"シンガー・ソングライター"と同じ手触りを感じることができる。そのことが、J-POPの範疇では収まりきれないスケールの大きさに繋がっている。
 情報過多の"Lush Life"の中で、僕達が家に帰ってシンプルな自分に戻る手助けをしてくれるのが、この『home again』という1枚のバイブルであることは喜ばしい限りだ。

Text by 五味渕雅之(朝霞店)

『home again』
川村結花-J.jpg




CD
Epic Records
ESCB-2124
¥2,913(税抜)
発売中

いつまでも色褪せないメロディと、生音中心の奥行き感のあるアレンジで綴られた、今の川村結花をパッケージしたニュー・アルバム。シングル曲「Travels」「Doors」を含む11曲はきっとあなたの"癒し系エネルギー"になってくれるでしょう。

【ソニーミュージックによる川村結花のオフィシャルサイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/ES/YukaKawamura/

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