傳田真央

インディーズ時代からの経験、歌唱力、ルックス、ファッション・センス、音楽性…
どれを見てもディーヴァたる条件を遙かに上回る。
メジャー第2弾の今作は歌詞にも注目!

（初出『Groovin'』2000年4月25日号）

　1980年3月29日生まれの彼女。音楽的な家庭に育ち、幼少時代から様々なジャンルの音楽（ロック、R&B、HIP-HOPからジャズまで）を通過し、そこで得た音楽的才能、絶対音感を武器に、音大へ通う傍らライヴハウスやクラブで歌い始める。自作のデモ・テープを作り始め、メジャー数社からの誘いを受けるが、98年春、新進気鋭のプロデューサー"FUJI"との運命的な出会いにより、まずインディーズで自分のスタイルを固めることを決意。そして99年6月、遂にその全貌を表した彼女のインディーズ・デビュー・マキシ・シングル「あなたとふたりで/やさしい気持ち」は、ファルセットが魅力的なスピリチュアル・ヴォイスと、天性のリズム感がプロデューサーFUJIとのコラボレーションにより、ストリート・シーンのみならず外資系レコード・ショップやFMチャートで大きな注目を浴びる事となる。
　そして2000年1月19日、本格的な活動の場をメジャー・シーンへと移し、1stマキシ・シングル「耳もとにいるよ〜Ring the bells〜」を発表。我々に素晴らしいファルセット・ヴォイスで、耳もとにやさしい気持ちを届けてくれた。そして今作、メジャー第2弾マキシ・シングル「あなたとふたりで」を彼女の20回目の誕生日にリリース。FUJIによるタイトかつスムースなR&Bトラックをバックに、日常的な事を豊かな表現力で活かした歌詞が何と言っても聴きどころ。また、彼女はサウンド面のみならず、CDジャケットからヴィジュアル面、更にはステージのプロデュースに至るまで全てを手掛け、センス溢れる独自の世界観を表現しているという。彼女のような存在こそが日本のシーンを本物にしてくれるのだろう。無限の可能性を秘めたSoul Warmingな歌姫"傳田真央"。今後の活躍が本当に楽しみ。

Text by 大林 誠（函南店）