ARTIST PICK UP
COIL
宅録のCOILが、オルタナに!
"宅録"という言葉だけでは語る事のできなくなった、彼らのサウンド。
まだまだ、進化は続きます。
(初出『Groovin'』2000年4月25日号)
いやぁ、待ちに待ったCOILのアルバム遂に完成!!もうドキドキしながら聴いちゃいましたが…、いきなりのオルタナ系ギター・サウンドの炸裂にビックリ!! "宅録、宅録"と思っていただけに…ね。とはいえ、そこは我らがCOIL。やっぱりポップ。確かにこのアルバムからはオルタナ色が感じられるんだけど、それはあくまでサウンド的なモノ。メロディは、ちゃ〜んとポップ、ポップ、ポップ!!なのです。今回はなんと生ドラム、使用されています。サトウの幼なじみでライヴ・サポート・メンバーの古谷隆行、コーネリアスのワールド・ツアー・メンバーとして知られるあらきゆうこ、そしてオカモト、サトウの4人が叩いています。う〜ん、この生ドラムの試みがまた成功しているんですねぇ。特にこのアルバムのリード・シングルである「カウンセリング&メンテナンス」では、あらきゆうこの叩き出すドライヴ感溢れる音が、ロケンロールでグルーヴィーなギターのリフと絡み合ってメチャメチャかっこイイのだ。
他にも気になる曲ばかり。10年前に作られた、今まで発表した中でも一番古いという曲「覚醒(めざめ)」。(ライヴでは、何回か演奏されているので知っている人もいるかも?)それにしてもこの曲、イントロや間奏があの名曲「クルクルフェチ」を思い出されてしまう。もしかして元歌とか…?というのはおいといても、10年という昔くささは全くナシ。そして、最もCOIL COILしているというか、彼らの十八番的サウンドである「夏の約束」。これは、センチメンタルな詞とほのぼのサウンドがゆったりしたビートにのって、懐かしい気分にさせられちゃいます。素直にイイ曲。「COILの「暴動」」。これは64秒の無音トラック。"ふ〜ん無音なんだ"とか言ってスキップさせないように!!64秒間しっかりそのままでラストの「White Room」を聴いてみて。答えはちゃんとそこにあるからね。ちなみに僕は拍手しちゃったよ。
さて、こんな感じでまた一皮むけたっぽいCOIL。もう"宅録"というキーワードでは括れないよなぁ。どんどんすごくなってますよ。ホント。
Text by 常磐安信(秦野店)
『ORANGE&BLUE』
CD
テイチクエンタテインメント
TECN-30614
¥2,857(税抜)
5月10日発売
網島にある彼らのスタジオ、その名も"ロープランド・スタジオ"そこから作り出されるサウンドがCOILの魅力。待望の2ndアルバムは、宅録からライヴ・バンドへと進化していくかのような成長と変化を感じさせつつ、やっぱりポップなロープランド・ミュージックを聴かせてくれます。
【COIL Official Web Site】http://www.office-augusta.com/coil/