CANNABIS

ARTIST PICK UP

CANNABIS

日本の音楽シ−ンに、北から新しい風が吹いてきた。
FM NORTH WAVE 大プッシュのリアル・ミクスチャー・バンド「CANNABIS」。
ボーダーレスな21世紀の音楽の新しい形。

(初出『Groovin'』2000年4月25日号)

 本当かどうかはわからないが「北海道出身者は声がデカい」という話を聞いた事がある。
どうやら、土地や家が広いため、声が小さいと聞こえないとか、デカい声で歌っても近所迷惑にならないとか、そういう所から出た話らしい。まったく信憑性があるんだかないんだかわからない話だが、そういえば、北海道出身の大黒摩季や、ドリカムの吉田美和も声がデカい。デカきゃあいいと言う訳でもないが、ヴォーカリストとしては、トクである。
 一般的に、地方出身者に対してまず聞かれる質問、「どこ出身?」。出身地でその人となりが判るものだろうかとも思うが、生まれ育った環境がその人を作るのだとしたら、出身地だって人を見る時のデータのひとつになるのだろう。
 この北海道出身の5人組「CANNABIS」、別にヴォーカルのカーチンの声がデカいと言う訳ではない、あしからず。ここでは声がデカい云々はおいといて、彼らの中に感じる「北海道性」があるとしたら、「おおらかさ」だ。と言っても、実際に彼らに会った訳ではないので、性格の話ではない。彼らの音楽に対する「おおらかさ」である。
 バンドを作るにあたって、多くの場合、「◯◯風」とか、「こういうテイストで」とか
あらかじめその音楽性やスタイルの輪郭を決めてしまう場合が多い。確かにその方が、メンバー集めにしろ、曲作りにしろ、具体的な方向も決めやすい。だが彼らがこだわったのは、そういったことではなく、ジャンルにこだわらない事にこだわったのである。(なんかややこしくなってきたな。)ポップスあり、ロックあり、クラシックを学んでいたものありと、彼らは実に五人五様。それぞれの得意分野を持ち寄って、お互いに吸収し合い、昇華させた結果、生まれたのが「CANNABIS」。単にジャンルを超えたノンジャンルではなく、ただジャンルを組み換えただけのミックス・サウンドでもない。それが彼らの言う所の「リアル・ミクスチャー・バンド」、CANNABISなのである。
 バンドの結成は98年。その年の秋にドラムの仲村が加わり、本格的に始動開始。曲作りは、CANNABISの多様性のカギを握る三本柱、ロックな大澤(g.)、クラシック出身の蔦谷(key.)、刹那系がウリの及川(ba.)の3人が担当。そして、バンドの紅一点、ヴォーカルのカーチン。私は常々思うのだが、単に歌がうまいとかへただとかは、かなり主観的なものだと思う。もっと大切なのは、その歌を聴いて「感じる」かどうか。人は歌を聴いて「感じる」ことができた時、気持ちが昂揚したり、感動したり、涙したりするのではないだろうか。カーチンは、そんな「感じさせる」ことができるタイプのヴォーカリスト。生で聴くともっといいんだろうなぁ。そして、5/10発売のシングル「How To Love Me」は、なんとCDジャケットをオフィシャル・ホームページから自分でダウンロードして作るという斬新な試み!!CDジャケットサイズに収まりきらないスケール感があるためだそう。乞う御期待!!

Text by 谷口郁子(玉川高島屋店)

『How To Love Me』
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Maxi Single
イーストウエスト
AMCM-4473
¥1,200(税抜)
5月10日発売

5/10発売のデビュー・マキシ・シングル「How To Love Me」にはジャケットがない!?地元FM局、NORTH WAVEでは毎週木曜日の深夜1:00からCANNABISの「count down」オンエア中。

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