ソニーク

インターネットからメジャー・デビューを果たした期待の新人ソニーク。
USレコード業界の首脳陣も惚れ込んだ本格派シンガーは、
今年の米ミュージック・シーンの本命か?

（初出『Groovin'』2000年4月25日号）

　ファームクラブ…インターネットとケーブルテレビを通じて、新たな才能を発掘していく組織。応募者はホームページにデモをアップロードして他の応募者と人気を競い合い、その先にはメジャー・デビューの栄光がある。アーティスト、ユーザーとスタッフが1つになって未来の音楽を模索していく事が、目標とされる。今回紹介する事となったこのソニーク（SONIQUE）なるアーティストは、そのファームクラブのレーベルからの記念すべき第1弾アーティストなのである。
　イギリス出身でシンガーを目指していた彼女は、80年代「S' Express」というユニットに参加し、すでにプロ・デビュー済みで、数曲のヒットもあったが、90年代に入ってから脱退し、UKクラブシーンでDJ活動をしていた。そして昨年秋、今回のデビュー・シングル「IT FEELS SO GOOD」が偶然FM局でプレイされた事をキッカケにアメリカ東海岸でヒットし、その後ファームクラブで紹介され人気爆発して、今回のメジャー・デビューとなったわけだ。
　アルバムの内容を紹介すると、彼女自身の元々のスタイルでもあるハウス、ダンス・ポップが大半を占めており、ガラージ等がいかにも似合いそうな歌い方、声質である事も含め、その実力が充分に発揮されたものに仕上がっている。クラブDJ時代、すでに世界各国からヴォーカル依頼を受けた経験もあり、ジョシュ・ウィンクなど主にハウス・テクノ楽曲のボーカルでもキャリアのある彼女。今回のデビュー・シングルもすでに全米大ヒット中であり、このアルバムも、アメリカ、そして日本でも、好セールスが期待されている。

Text by 中澤雄二（静岡イトーヨーカドー店）