ココ・リー

ARTIST PICK UP

ココ・リー

"エイジアン・ディーヴァ"ココ・リーが満を持してワールド・ワイド・デビュー。
R&Bテイストたっぷりのポップ・アルバムを引っさげて、
アジアの旋風が今世界を駆け抜ける。

(初出『Groovin'』2000年4月25日号)

ココ・リー-A.jpg 近頃、オリエンタルなルックスで、大胆かつセクシーなダンス・ナンバーを披露しているPVが頻繁にオン・エアーされている。このビデオの主人公が、香港生まれアメリカ育ちのシンガー、ココ・リーである。
 その伸びやかで、力強く美しい声と、キュートなルックスが魅力の彼女は、現在までに計9枚のアルバムを台湾を中心にリリースし、600万枚以上の売上を記録した、アジアではトップ・クラスのアーティストなのである。
 そして23歳になる彼女に白羽の矢をたてたのが、セリーヌ・ディオンやジョンB等が所属している550 Musicで、そこから発売されるワールド・ワイドでのデビュー・アルバムが『ジャスト・ノー・アザー・ウェイ』である。
 ファースト・シングルから始まるこの作品には、彼女の魅力が余すところなく発揮されていて、2曲目(タイトル曲)などもエモーショナルなR&Bテイストが充分に含まれており、ヴォーカル・テクニックや、後半のフェイクなど、素晴らしいの一言に尽きる。
 また、ホイットニー・ヒューストンの最新アルバムでも共演している、ココのフェイヴァリット・アーティストでもあるケリー・プライスをセカンド・ヴォーカルに従えた③は、エイス・オブ・ベイスやメアリー・J・ブライジなども手がけているカットファーザー&ジョーをプロデューサーに迎え、魅惑のソウル・ナンバーに仕上がっている。
 さらに映画『プリティ・ブライド』にも収録されていた、セリーヌの王道バラードにも通じる⑤や、マライアなどのプロデューサーとしても有名なリック・ウェイクが手がけているジャンプ・ナンバー⑥、あの"ゴッド・ファーザー・オブ・ハウス"フランキー・ナックルズが参加したダンス・チューンなど、いずれも高い完成度で、バランスのとれた優れたポップ・アルバムの誕生といえる。
 彼女の言う、世界を席巻する"エイジアン・クロスオーヴァー・シンガー"になる日が近いことを予感させるのに充分な作品である。

Text by 五味渕雅之(朝霞店)

『ジャスト・ノー・アザー・ウェイ』
ココ・リー-J.jpg




CD
Epic Records
ESCA-8107
¥2,400(税抜)
発売中

ベイビーフェイスとの仕事でも有名なブラッドリーや、F・ナックルズ、R・ウェイク等をプロデューサーに迎えたこのアルバム。隙の無い鉄壁のサウンド・プロダクションにより供給されたポップ・ナンバーが、"ココ・リー・ワールド"を誕生させた。


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