In the Soup

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In the Soup

アマチュア・バンドながらFUJI ROCK '99に出演、
インディーズとして2作目の「夜のかけ布団」を3月1日にリリース。
そして5月20日、「風の子」で遂にメジャー・デビュー!

(初出『Groovin'』2000年5月25日号)

 似通ったジャンルでメンバーが構成されているバンドが多くある中、イン・ザ・スープというバンド・メンバーの音楽性はハード・ロック、グランジ、フォーク、パンクと実に多様である。
 その様に個々が主張する彼等より生み出されるサウンドを既成の言葉においてのジャンルに当てはめることはおそらく、きっと、出来ない事なのかもしれない。イン・ザ・スープに、現在いくつもあるミュージック・シーンでのカテゴリー分けというものは必要ない。そして今年5月20日、デビュー=最初・第一歩を迎えた。既成の、どれにも当てはまることのないバンド、彼らの音楽でメンバーは一体になっている。人それぞれが自分たちの歩幅で歩いていても、気の合うもの同士は何故か自然に並んでいる様に。
 96年に結成。都内ライヴハウス、ストリートを中心に活動を開始し、テレビ朝日系"ブレイクアウト"に出演、99年2月、初のCDとなるマキシ・シングル「カラーバー」をリリース。同年7月31日、アマチュア・バンドながら「FUJI ROCK FESTIVAL '99」への出演という快挙を果たした。日本中のアマチュア・バンドが目指すライヴ・ハウス新宿ロフトでのワンマン・ライヴもチケット売り切れ状態となり、今年3月1日、2ndマキシ・シングル「夜のかけ布団」をリリース。3月15日より4月16日の、宮崎〜仙台のツアー"はじまりの予感"は、実に28公演。そして、東京・名古屋・大阪・福岡への今年2回目となるツアーが間もなく始まろうとしている。
 歌を届けるために様々な場所でライブ、そして1人1人へ大切に伝える過程で、今メジャー・デビューを迎えた。
 ボトム・グルーヴを歌う草場(B)吉田(Ds)のリズム・セクションに、中尾(Vo)が歌う詩のひとつひとつのコトバは、かつて見た情景を思い起こさせる。それは、まるで映画の一部分のようになって自分の中でシンクロし始める。聴く人を癒し、そして、ロックを与えてくれる。ギター・フリークは勿論バンド好きならば思わず目を奪われてしまう八谷(G)のプレイ、彼がフェイバリット・アーティストとするヌーノ・ベッテンコート(元エクストリーム)に、昨年彼等は共演も果たす。
 もしかしたら言葉には限界があるのかもしれない。イン・ザ・スープはその先にある事を、詩で包み込んで耳には心地よいサウンドとして聴く人すべてに与えてくれる。
 夢は見るものではなく自分で叶えるもの。イン・ザ・スープと言うバンドは、アクション<行動>がロックだということを表現し、ライヴのオーディエンスは既にそれを知っている。
 吉田の言葉「僕らは歌を届けたい」、アーティストからリスナーへ、それは、あまりにもシンプルなこと。しかし、この思いはますます強くなって飛び込んでくる。今、身の回りにあふれている情報というものから、ちょっとだけそっぽを向いて自分自身の目と耳だけで感じ取って良いこともあると思う。そして唯一、音楽を体感する事が出来る"ライヴ"を見れば、きっと彼等の歌が届く。
 かならず彼等は歌をみんなに届けてくれる。

Text by 飯田雅史(平塚山下店)

『風の子』
In the Soup-J.jpg




Maxi Single
ヒートウェーヴ/トライアド
COCA-50323
¥1,200(税抜)
7月7日発売

デビュー・マキシ・シングルのタイトル曲「風の子」はTBS「キャイーン・寛平の女神の誘惑」のエンディング・テーマ、3曲目「グリーングリーン」は新宿ロフトでのライヴ・テイクになっている。前作同様メンバーによるセルフ・プロデュース作品。2000年、要チェック・バンド!

【In the Soup Official Web Site】http://inthesoup.net/index.html

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