MONDO GROSSO

大沢伸一のメイン・プロジェクト、MONDO GROSSO（モンド・グロッソ）遂に始動!
ソニー・ミュージック移籍第1弾にして、はやくも"傑作"が到着。
そのタイトルは「LIFE」。

（初出『Groovin'』2000年5月25日号）

　唐突ではあるが、私は"大沢伸一"という人物を、今最も重要なプロデューサーの1人だと認識している。最近の彼の仕事には、とにかく駄作が一切ないのである。小室哲哉、つんく…そんなメガ・ヒット連発のプロデューサーとは、一線を画す"ハート"と、仕事の選び方がその決定的な相違かもしれない。最近では、異例のロング・ヒットを続けるbirdのアルバム・全シングルや、ブレイクの兆しのあるワイヨリカの1stアルバム（大傑作!）などをプロデュースしており、ひそかに注目していた人も多いかもしれない。
　そんな大沢伸一の主要プロジェクトMONDO GROSSOの3年振りの新作が完成する。彼の創り出すサウンドの魅力は、そのグルーヴにある。フォーキーあり、ジャジーあり、必ず楽器本来の生音の魅力を生かし、グルーヴを生み出すアレンジの才能はもはや世界レベル。実際ここしばらく海外に拠点をおき、数々のアシッド・ジャズ系コンピに参加し、数曲のシングル・ヒットもあり、彼等の才能はすでにグローバルな評価を受けていると言える。とくに傑作「SOUFFLES H」はクラブDJの間でも名曲とされている程である。
　さて、そんな追い風に乗る彼等を、７月発売予定の新作アルバムからのこの先行シングルで是非とも体験して欲しい。MONDO GROSSOはもともとインスト主体で、曲によってゲスト・ヴォーカルを起用するアシッド・ジャズのグループ。そして今回、ブラジリアン・テイスト溢れる抜群に"お洒落"なこの新曲は、ご存知"bird"が作詩、ヴォーカルを担当!これがモロにハマリ役だ。しかもバック・コーラスにはMONDAY MICHIRU嬢が!ベースはもちろん大沢伸一、アコースティク・ギターのリフも甘く、優しい。正直、玄人受けな存在であったMONDO GROSSOは、この1曲で間違いなくメジャー・シーンに踊り出ることであろう。「期は熟した!さあいこう…」。

Text by 中澤雄二（静岡イトーヨーカドー店）