Vlidge(ヴリッジ)

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Vlidge(ヴリッジ)

女性アーティスト台頭の昨今、魂を揺さぶる生々しい歌声、
自由な発想で全てを表現できる男性アーティストがついに登場!!
2000年登場にふさわしい新世代ユニット「Vlidge」(ヴリッジ)がシーンを塗り替える…。

(初出『Groovin'』2000年5月25日号)

 メガ・ヒットする曲は限られていても、もともと音楽を聴く人の趣味は千差万別である。今でこそその千差万別がその人の個性として認知されるようないい世の中になったが、30代の私から上の世代の人は、今のように自由にどんなジャンルの音でも手に入れ、聴けるような環境ではなかったんじゃないだろうか。40代の人の話を聞くと、もとよりいろいろなジャンルの音を買える場所が少なかったということだが、私達の頃は手に入らないということは無かったものの、洋楽を気軽に聴いている友人などはまだまだ数少なく、肩身を狭くしたこともある。
 しかし、幼少の頃から洋楽オンリーで迫害(言い過ぎかな)を受けてきた私の趣味のおかげで、助けられたこともある。音楽好きの私は、例に漏れず学生時代はレコード屋でアルバイトを始めたのだが、ハードコアな同僚達に比べ、ノーマルな身なりの私は絶対に溶け込むことが出来ないだろうと思っていた。ところが、音楽の話で同僚と趣味が合ったとたん、親友として彼らと付き合うことができた。そして、ハードコア・パンクスに一人普段着のやつが混ざってる変な集団が出来上がったのである。共通の趣味を持っている絆は強いということを言いたかったのだが、妙なたとえ話になってしまった。
 2000年にデビューを飾る男性ユニット「Vlidge」(ヴリッジ)の2人も、そんな共通の趣味が2人を結び付けている。スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンといったソウル・R&Bを聴いて育ったKIICHIとボーイズ・II・メンやホイットニー・ヒューストンなどのR&Bヴォーカルものに影響を受けたKYU。二人が共にHIP-HOPにのめりこみ、クラブで出会い、音楽の話をしていくうちに2人で楽曲を作るということになった。出会いのきっかけとなったHIP-HOPのグルーヴ感はもちろん、それぞれの個性や趣味も混ざり合って出来た楽曲「EVERYBODY NEEDS LOVE」は見事な化学変化をおこしている。
 「Vlidge」(ヴリッジ)というユニット名は造語で、何かと何かをつなぐ"橋"も意味しているそうであるが、出会いをみごと作品として世に出すことのできた彼らの今後に期待したい。また、女性上位といわれるシーンに風穴をあける活躍を望む(R&B系男性アーティストにももっと光を)。

Text by 作山和教(西那須野店)

『EVERYBODY NEEDS LOVE』
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Maxi Single
東芝EMI
TOCT-4214
¥1,143(税抜)
6月28日発売

デビュー・シングルはクリスティーナ・アギレラ、ウィル・スミス、K-CI & JOJOのレコーディング・エンジニアであるROB CHIARELLIと共同作業。ヒューマンでスピリチュアルなスケールの大きい楽曲をうまく活かした好トラック。


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