ララ・ファビアン

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ララ・ファビアン

2000年の歌姫、ララ・ファビアンが贈る、
世界デビュー・アルバム。
その美しい歌声とソング・ライティング・センスに魅了される。

(初出『Groovin'』2000年5月25日号)

ララ・ファビアン-2A.jpg©LAURENCE GALUD セリーヌ・ディオンが休養宣言をしてから、たくさんのポスト・セリーヌが登場している。その中には、商業目的に作られたタレントも少なからず存在する。ただ、アメリカやヨーロッパで、それなりのセールスと評価を受けようとするなら、当然ながら歌唱力、ルックスなど、あらゆる面で他人より勝っていなければならない。そしてなによりも必要なのは、なんとしてもアーティストとして成功する、という自信と確信である。ララ・ファビアンは、「ポスト・セリーヌ」などと言わせない豊かな表現力と歌唱力、そしてソングライターとしての確固たる自信の持ち主である。
 ベルギー生まれ。ベルギー人の父とイタリア人の母の間に生まれ、幼い頃から歌、ダンス、ピアノなどを勉強し、わずか5歳足らずで自分が歌手であることに疑いを持たない少女であった。彼女が「自分が歌手」であると思っていたのには、音楽好きの父親の影響が多分にあったようだ。その父は、彼女が生まれる前からプロのバック・ミュージシャンとしてツアーをしていた人で、つまり、彼女の育った環境に、音楽は空気のようにそこらじゅうに溢れていたということ。その後、音楽を本格的に勉強し、女性シンガー・ソングライターに対して閉鎖的なヨーロッパから単身カナダへ。ここでもレコード会社と契約できず、自らレーベルを立ち上げ、デビュー・アルバムを発表。それがカナダで10万枚を売上げ、続くセカンド・アルバムではフランス語圏で80万枚を超えるセールスとなる。さらに3rdアルバムでは、フランスだけで200万枚に達し、スーパースターの座を獲得したのである。
 この『Lara Fabian』には、日本人になじみあるアメリカ的なアレンジもありながら、ヨーロッパ的な、ララ本来の個性を感じさせる楽曲も収録されている。世の中に迎合しない確固たる信念を感じ取ることができる素晴らしいアルバムになった。

Text by 濱田尚子(池田店)

『Lara Fabian』
ララ・ファビアン-J.jpg




CD
Sony Records
SRCS-2291
¥2,000(税抜)2ヶ月限定特別価格
5月31日発売

すでにフランスでは大スターの座を手に入れた、ララ・ファビアンの初めての英語アルバム。ルックスが良くって歌がうまいだけじゃない本格的なシンガー・ソングライター。米ソニー・ミュージック社長をうならせたパフォーマンスを、早く日本でも見たいものだ。


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