Keison

ARTIST PICK UP

Keison

用意はいいか?
永遠の夏の扉を開くのはKeison!お前の番だよ!
セイルに曲を目一杯はらんで、世界中何処へでもいけるさ。

(初出『Groovin'』2000年6月25日号)

 身近にいて、いつも「ぺろーん」としていたKeisonが、嬉しい限りの夢のような現実的デビューを果たし、早くも3ヶ月。仲間の誰もが待ち望んでいた瞬間とはいえ、「変わらない」とは思っていても、ラジオから流れる「Fine」には、いつも手が届くところにあった大切な物が「メジャー」という川を超えて向こう岸に行ってしまった様な複雑な思いも募らされたけど、いつもと変わらない笑顔を抱えて週末ごとに静岡に帰ってきた彼と1杯飲む時は、そんな思いは払拭されて、次の作品やライヴの事など「なんか楽しい展開したいね。」と話がはずむ。エフエムしみずのコメント担当の日も偶然にも店に寄ってくれて、「今日これから生放送だけど、一緒に行っちゃう ?」の誘いにニヤッと「いいねぇ。」と返す彼に、ヒートしすぎる自分の気持ちを押さえるのが大変なくらいで、いつも「てきとーに…」と振る舞う彼の気負いのない圧倒的な個性は、ライフ・スタイルがバックボーンとしてある故に、むしろ「ある種の距離感が必要なのかもしれない」と感じさせる位だ。
 さて、2ndシングルとなる「水玉模様」は、Keisonがデビュー前から大事にしていた、ライヴでも大盛り上がりの1曲であり、"お約束"のフックでもある。海と自由をこよなく愛すKeisonならではの詩の世界は、誰もがいつまでも持ち続けたい素直で柔らかい心持ちで綴られ、UAのドラマーとして活躍した椎野恭一率いるバック・バンド「マグノリア」が打ち出す、タイトでソリッドな野性的イメージによって、聴く人の心をグッと引きつけている。かつて耳にした事のない強烈な程のオリジナリティは、10年後の彼の音楽活動を楽しみな限りの"夢"として、送り続けてくれるアーティスト像を作り上げていると同時に、世界中の何処に行ってもそばにいつづけて欲しいし、僕らフレンズの宝モノでもある。

text by 森藤剛正(新静岡センター店)

『水玉模様』
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Maxi Single
Epic Records
ESCB-2142
¥1,165(税抜)
発売中

カップリング曲の「風をさがして」はKeisonが東京で生活するようになってからの作品で、都会の雑踏の中で自分をキープしつつ日常とサウンド・ワークを重ねて行く中での心境を綴ったとも感じる曲。このスワンプ調の楽曲こそオヤジ心をくすぐる玄人ウケのよい彼の奥深さであり、湧き出るイメージに対処する引き出しの多さを痛感させる仕上がりだ。

【Keison Official Web Site】http://www.kobuchizawa.net/keison/

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