Vlidge

ARTIST PICK UP

Vlidge

ヒューマンでスピリチュアル。
そして、スケールの大きなサウンド。
2000年、新世代のサウンドは"Vlidge"が作り出す!

(初出『Groovin'』2000年6月25日号)

 J-R&B、HIP-HOP系女性アーティストの台頭により、そのムーヴメントが確立され圧倒的女性アーティスト市場だった1999年。そして、2000年の今年は男性アーティストの逆襲の年になりそうな気配。そんな中J-R&Bシーン期待度NO.1の呼び声の高い本格派ユニット"Vlidge"がデビューする。
 Vlidgeは、KIICHIとKYUの2人組。共にシンガー・ソングライターであり、トラック・メイカーであり、すべてをパフォーマンスで表現できるという才能を持ちあわせている。それゆえ、「2人の自己表現に境界は存在しない」といわれているようにまさに鬼に金棒状態である。ところで、"Vlidge"というユニット名はオリジナルの造語で「Bridge」という言葉がモチーフになっている。この「Bridge」、説明するまでもなく「橋」という意味。何かと何かを繋ぐ役割を持っている「橋」。KIICHIと音楽、KYUと音楽、KIICHIとKYU、Vlidgeとリスナーというようにまったく見知らぬモノ同士が音楽という偶然という名の必然によって繋がっていく。また、「B」から「V」になっているのも、たとえが古いかもしれないが"勝利"を意味し、彼らの未来が輝かしいものになることを暗示しているかのようにも思える。そんな2人の音楽に対しての思いが込められた彼らに相応しい造語ではないだろうか。
 それでは2人の「出会い」について少しふれてみたいと思う。スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンなどで音楽に目覚めたKIICHI、ジャネット・ジャクソンなどが音楽観の原点となるKYU。このようなソウル、R&Bに興味をもち、そして共にHIP-HOPにのめり込んでいく。2人はクラブで出会い、HIP-HOPの話をするうちに2人で楽曲を作るということになっていった。モータウン・サウンドをはじめとしたKIICHIのメロディ・センスと、ニュー・ジャック・スウィングや、コーラス・グループなど幅広いKYUのリズムや、アレンジのセンスがHIP-HOPという名のグルーヴの上で、ひとつのサウンドを生み出した。それが、このデビュー・シングルとなる「Everybody Needs Love」である。なんとスケールの大きな楽曲なのだろう。2人のハモったり、掛け合ったりする魂を揺さ振られる生々しい歌声が、ひたむきな愛を綴った詞の世界をより一層暖かなものにして何やら胸の奥がジーンとしてしまうのである。
 また、トラック・ダウンはL.Aに渡りレコーディング・エンジニアであるRob Chiarelliと共同作業で行われた。ちなみにRob Chiarelliは、ウィル・スミスやK-CI & JOJO、クリスティーナ・アギレラ等のレコーディング・エンジニアとしての仕事が有名である。
 J-R&Bを取り巻く環境は様々なライバルの出現により厳しいものになっていくだろう。しかし、彼らのR&B、HIP-HOPなどにカテゴライズされない自由な発想がある限り "勝利"し続けるだろう。Vlidgeが架ける橋は、我々の期待をこえるほど大きくなるに違いない。あなたにもその"ブリッジ"が繋がりますように。

Text by 常磐安信(秦野店)

『Everybody Needs Love』
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Maxi Single
東芝EMI
TOCT-4214
¥1,143(税抜)
6月28日発売

"Vlidge"という名に込められた彼らの音楽に対しての熱い想い。出会うべくして出会った2人が「Everybody Needs Love」を引っさげ、ついにデビュー。魂を揺さ振る歌声が語り掛ける詩の世界。懐かしさのような温かさに溢れている。

【Vlidge Official Website】http://www.vlidge.net/

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