RED WARRIORS

ARTIST PICK UP

RED WARRIORS

レッズ再始動!!メンバー個人の活動を経て、
よりパワー・アップした彼らが満を持して発表する
ニュー・アルバム『JUPITER TRIBUS』。

(初出『Groovin'』2000年6月25日号)

 私がRED WARRIORSのパワーに圧倒されたのは大学時代、学園祭のライヴに彼らが登場したときだ。学園祭の時は家に帰らずに大学に寝泊りしていたのだが、ある日の夜更け、まだ日が昇る前からそれぞれに自己主張したファンたちがキャンパスに集まり始め、ライヴ開始前には校門前は人で埋め尽くされてしまった。その後何とかライヴは始まったのだが、余りのファンの熱狂により安全が確保出来なくなったのか、数曲やったところで中止になってしまった。その日1日は校内に強力な磁場ができたかのように騒然としていたことが思い出される。私はそれを機にレッズを聴き始めた遅れてきたファンではあったが、あの時の興奮も納得の彼らの音にいつしか完全にはまっていた。
 いわゆる第1次バンドブームの前にいち早くデビューし、3年というあっという間の活動期間の間にシーンを駆け抜けて解散したRED WARRIORS。その後個々に活動したのちに96年に再結成、武道館での復活ライヴを行なった翌年にはニュー・アルバムも発表し、全国ツアーも行なった。その後またソロ活動に戻って2年半、ついにレッズが活動を再開した。おそらく、私達が考えるよりもSHAKE、YUKAI、KIYOSHIの3人はレッズというものに対してリラックスして考えているのだろう。確かにひとつの伝説を作ったバンドにはある種の固定観念がファンの中に生まれ、どうしても「あの音」を期待してしまう。メンバーにとっては新しいことにチャレンジもしたいだろうが、ファンの期待をまるっきり裏切っていいものか?それではなぜまた一緒にやるのだろうかといったジレンマが常に付きまとう。「焼き直し」という評価を恐れるあまり、硬くなって消化不良を起こしてしまういわゆる"再結成"バンドが多い中、レッズの面々は実に飄々とスマートにそのあたりをクリアしている。
 今回のニュー・アルバムは今のサウンドを取り入れたナンバーもあるが、これぞレッズなパーティ・ロックンロールもある、最高の1枚だ。特にバラードでみせる"味"は同系統の後輩バンドにはない貫禄も感じられ、現在進行形のレッズが充分に堪能できる。ミレニアムに再結成を合言葉に数々のバンドがリユニオンをしているなか、レッズは「俺達って解散したっけ?」とばかりにいきいきとしている。

Text by 作山和教(西那須野店)

『JUPITER TRIBUS』
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CD
徳間ジャパン
TKCA-71962
¥2,913(税抜)
発売中

グルーヴィーでサイケなナンバー、バットボーイズ・ロック、バラードとどの曲もレッズ印の全11曲。SHAKEとYUKAIの鉄壁ソングライター・コンビはハズシ曲なしで、一気に聴き通せる至福のニュー・アルバム。


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