クレオパトラ

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クレオパトラ

スーパー三姉妹から本物のR&Bディーバ・グループへ!
UK R&Bの未来を担う実力派グループ、クレオパトラが
豪華なプロデュース陣を迎えて放つ待望のセカンド・アルバムが到着。

(初出『Groovin'』2000年6月25日号)

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 クレオ、ゼナム、ヨナの三姉妹がシングル「クレオパトラのテーマ」でデビューを飾ったのは1998年のこと。その後2枚のシングルも全てヒット・チャートに送りこみ、イギリスをはじめアメリカ、日本でも人気は爆発した。日本では3枚目のシングルで、ジャクソンズの不朽の名曲であるアノ「アイ・ウォント・ユー・バック」の素晴らしいカヴァー(ファ—スト・アルバム収録)で特にクラブ層を中心に強い支持をうけた。アメリカではアラニス・ モリセットなど実力派かつ個性派が多く在籍する、女王マドンナがしきるマーヴェリック・レコードと契約するあたりにも、今後の大活躍を予感させる雰囲気は充分にあった。
 そこで今回のセカンド・アルバムのリリースとなる。実際、数枚のシングルをヒットさせ、シーンの注目を一身に浴び、アルバムを1枚リリースし、そして消えて行くケースがあまりにも多い昨今、音を聴くにあたり正直なところ不安もあった…。しかし、聴くほどに耳というか、体になじむ"まっとうなアルバム"に仕上がっている。ダンサブルなうえにとてもキャッチーな、誰もが楽しめる楽曲ばかりだ。
 聴いているうちに1つ気付くことがある。まったりと聴かせる、ボーカルの実力を聴き手に押しつけるようなバラードが1曲もない事だ。これはきわめて稀なことである。アルバムの全曲がミディアム・テンポの佳曲、それも捨て曲無しで13曲。
 加えて豪華過ぎるプロデュース陣にも目を見張るものがある。宇多田ヒカルの最近2作を手がけ、一般リスナー層でも俄然知名度をあげているJAM & LEWISを筆頭に、大御所DARYL SIMMONSやCUTFATHER & JOEと、バック・トラックに興味を向けるコアなリスナーにも納得のいく、魅力あるアルバムが完成した。

Text by 中澤雄二(静岡イトーヨーカドー店)

『ステッピン・アウト』
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CD
ワーナーミュージック
WPCR-10740
¥1,980(税抜)
発売中

ちょうど2年振りのセカンド・アルバム。ジメジメする梅雨で、音楽でも流してゆっくりする休日が多くなりがちなこの時期に、非常に機能的で、さりげない良い作品です。それにしてもプロデュース陣の豪華さは、マジでヨダレものですよ。


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