PUFFY

SPECIAL SELECTION

PUFFY

ついにリリース!
ヒット曲満載、究極のベスト・アルバム。
改めて浮き彫りになる"これがPUFFYの生きる道"。

(初出『Groovin'』2000年6月25日号)

PUFFY-A.jpg CDデビューは96年5月。考えてみれば、4年とちょっと。しかしそんな感じは微塵もしない。もっと芸歴が長いような感じさえする。それぐらいPUFFYの活動は刺激的で、印象的だ。今までに発表したシングルは11枚、アルバムはミニやリミックスも含めて計4枚、それにそれぞれのソロ・シングルが1枚ずつ、それらソロ作品を集めたアルバムが1枚にビデオが5本、他にもTシャツ、「PUFFY DOLL」など数々のキャラクター・アイテムを生み出してきた。4年間でこれだけの超量産体制の中、彼女達の人気がここまでトップを突っ走ってこれたのには、当然理由がある。
 今回発売となる初のベスト・アルバム『THE VERY BEST OF PUFFY-amiyumi JET FEVER-』には、発売された全シングルを含む20曲が収録されているが、これらを聴けばその理由は一目(聴)瞭然!今までいそうでいなかった、彼女達の飛び抜けたキャラクターもさることながら、結局のところ楽曲の完成度の高さに驚かされる。しかもどの曲も、前作とは違った路線を打ち出しつつ、確信犯的にツボを的確に突くニクいテクニック。このような楽曲作りの裏には、奥田民生をはじめとする錚々たる作家陣が控えていることはみなさんご存知の通りだが、こうやって改めてヒット曲の数々を並べて聴くと、もはやPUFFYの作品は彼女達だけのものではなく、作家とアレンジャー、プロデューサー、そしてパフォーマー(シンガー)が完全に一体化して、しかもそれぞれが力の均衡を保ったまま同じベクトルを目指すという、秀逸なプロジェクトによる作品、と言える気さえするのだ。
 もう1つ、PUFFYの特徴。それは「笑い」に対する飛び抜けたセンスと言語感覚。アメリカのポピュラー・ミュージックがそうであるように、本来こういう要素は自然と音楽の中に溶け込み存在するものだと思うのだが、特に日本の音楽シーンについて考えた場合、ユーモアに関するセンスはどうもイマイチという感じがする。それは今に始まったことではなく昔からずっと続くことだが、「笑い」と「真面目」な音楽を完全に分離して考えるきらいがある。しかも「笑い」的要素を取り入れた物を低俗的にみる風潮が、無意識のうちにあるのだ。しかしPUFFYは見事にその壁を破って見せてくれた。井上陽水やトータス松本、奥田民生らが独特の遊び心ある言語感覚からくる面白さを具現化した「アジアの純真」や「ネホリーナハホリーナ」「これが私の生きる道」といった曲を聴けば、それは顕著。しかもサウンド的にもしっかりした裏付けがある。これはもう職人技。それをケロッとこなしてしまう、亜美&由美のお二人にも、拍手!
 あともう1つ、サウンド的な聴きどころを。多くの曲のプロデュースを担当している奥田民生と笹路正徳の関係に注目。奥田がユニコーン在籍時のプロデューサー=笹路正徳という関係から続く流れを踏まえてPUFFYを聴くと、さらに見えてくる部分があるかも知れない。特にサウンドを構築する方法論に関しては、独自の理論を持ち多くのヒット曲を通じて実践してきた笹路だけに、奥田民生の中にも共通したセンスが流れていると、個人的には解釈している。まさにこれぞポップ・ソングの王道!といえるこのベスト、改めてヒット曲の数々を聴いてみると、思わぬ発見と落とし穴にはまってしまう、僕はそんな毎日。でもこれでいいのだ。

Text by 土橋一夫(編集部)

『THE VERY BEST OF PUFFY-amiyumi JET FEVER-』
PUFFY-J.jpg




CD
Epic Records
ESCB-2140
¥2,913(税抜)
7月5日発売

今までに発表した全シングルをはじめ、初CD化の北京語Ver.「這是我的生存之道」や国内未発表の「愛的證明」も収録した究極のベスト盤。なおビデオクリップ集『CLIPS』も同時発売。秋にはニュー・シングルとオリジナル・アルバム、さらに全国ツアーも!

【PUFFY Official Website】http://puffy.jp/

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