矢井田 瞳

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矢井田 瞳

今度のヤイコは「せつないヤイコ」。
哀愁漂うメロディーとヤイコのファルセットがベストマッチ。
3曲目には「my sweet darlin'」のライヴ・ヴァージョンも収録!

(初出『Groovin'』2001年1月25日号)

矢井田瞳-A.jpg 11月のある日曜日の夜「情熱大陸」というドキュメント番組にヤイコが出ていた。大学4年生の彼女は卒業論文を書いていた。大学の近くのレコード店で自分のデビュー・アルバム『daiya−monde』を買っていた。特典のクジを引いたがハズれていた(笑)。店を出たところでファンの子たちに見つかって、ちょっとしたサイン会になっていた。デビューの頃までバイトしていたラーメン屋さんでラーメンをすすっていた。バイクに乗っている彼女もいた。ヤイコはいつもニコニコ嬉しそうに笑っていた。「人と人が会うとかすごい好き」という彼女のコトバは嘘ではないんだろうなと思った。そこには「人間くさい」ヤイコがいた。 
 さて、ニュー・シングル「I'm here saying nothing」に話を移そう。今回の曲はメジャー第3弾マキシ・シングルとなるが、メジャー盤としては初めてのミドル・チューン。哀愁漂うメロディーに情熱的なアレンジを施していて、ヤイコ節と呼べるファルセットを多用したヴォーカルもいつもより情感がこもっている。これまでのシングル曲では「パワフルなヤイコ」を強調してきたが、今回は「せつないヤイコ」という新たな一面を見せてくれている。2曲目「Life's like a love song」もこの路線で、1曲目、2曲目と「せつないヤイコ」を堪能できる。そして、3曲目には去年10月31日に地元大阪BIGCATで行われたライヴから大ヒット・チューン「my sweet darlin'」を収録。「盛り上がっていくでー!!」とノリノリの彼女が楽しそうに唄う姿が目に浮かぶようだ。これで元気なヤイコが好きな人も満足してもらえることだろう。
 この間彼女のHPを見ていたら、大学の図書館のトイレで携帯電話を落とし、しかも流してしまったと書いてあった。自分でも「普通流れるか?」とヘコんでいた。でもそんな飾らない「人間くさい」彼女はとても魅力的だと思う。そしてきっと彼女はこれからも「人間くさい唄」が好きで「人間くさい唄」を作り続けてくれるに違いないはずだ。

Text by 川上敏克(熱海セイフー店)

『I'm here saying nothing』
矢井田瞳-J.jpg




Maxi Single
東芝EMI
TOCT-22136
¥1,200(税抜)
発売中

矢井田瞳の3枚目のシングルは切なさいっぱいのミドル・チューン。哀愁漂うメロディーにヤイコ節とも呼べるファルセットを多用したヴォーカルが、この季節胸に染みます。また3曲目には「my sweet darlin'」のライヴ・ヴァージョンも収録の強力盤です。

【矢井田 瞳 Official Web Site】http://www.hitomi-yaida.com/

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