GRAPEVINE

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GRAPEVINE

流れるようなメロディとグルーヴのミディアム・バラード。
グレイプバイン史上、最大・最強の名曲がここに誕生!!
これを聴かずして彼らを語ることはできない…。

(初出『Groovin'』2001年1月25日号)

 シングル「スロウ」「光について」で彼らを知り、アルバム『Lifetime』で彼らの魅力にハマった人って、けっこう多いんじゃないかと思う。実は僕もそのクチだったりする。そして、その後リリースされたシングル「羽根」「Reverb」を収録した彼らにとっての3枚目のアルバム『Here』(昨年3月リリース)を聴いて違和感みたいなモノを感じ、戸惑った人は少なからずいるのではないだろうか。このアルバムは、前2作と比べてたしかに違う。別にクオリティが低いということではない。むしろ着実に成長している彼らがいることすら感じさせる作品だが、そこからは彼らの音楽に対する"迷い"や"葛藤"がサウンドから受け取ることができる。「スロウ」「光について」のヒットによる『Lifetime』の成功の後、"なかなか曲が書けない"という記事を何かで読んだ記憶がある。もちろん、それはヒットに対してのプレッシャーかもしれない。原因をはっきりと彼らに聞いたわけではないのだからわからないが、そういうことが背景にありサウンドに影響を与えていたことは確かなことだ。そういう意味で難産だったといえる『Here』は、共同プロデュースしている"根岸孝旨"色が強い作品だった。つまり、彼らに"迷い"や"葛藤"があったために彼ららしさを旨く出し切れず、結果として"根岸"色が強くなってしまったのだろう。
 そして、昨年11月にリリースされたシングル「ふれていたい」は、それまでの"迷い"や"葛藤"が吹っ切れたともいえる彼ららしいナンバーだった。サウンドはもちろん、ヴォーカルについても今までにないほど、のびのびとした印象が感じられた。この新たな流れを受けてリリースされるのが本作「Our Song」。ミディアム・バラードのこの曲は、シングルとしては初となるヴォーカル田中和将の作詞・作曲によるもの。イントロから、流れるようなメロディとグルーヴ。そして、ドラマティックに盛り上がるサビ。もうこれだけでノックアウト。もう彼らからは"迷い"や"葛藤"は感じられない。「スロウ」を凌ぐほどの名曲がここに誕生した。ツボに入りまくりの作品を立て続けに送り出したある意味"新生"ともいうべきグレイプバインは、このまま迷わずアルバムを作ってくれるだろう。そう僕は願っている。きっと彼らを代表する作品になることは間違いないのだから。

Text by 常盤安信(秦野店)

『Our Song』
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Maxi Single
ポニーキャニオン
PCCA-01495
¥1,200(税抜)
1月31日発売

前作シングル「ふれていたい」は、迷いや葛藤を吹っ切ったような彼らの魅力が十二分に発揮されたものだった。そして本作は、その流れを汲み、彼らの本領を最大限に引き出したミディアム・バラード。「スロウ」を凌ぐほどの名曲がここに誕生した。気合十分な傑作ナンバー。

【GRAPEVINE OFFICIAL SITE】http://www.grapevineonline.jp/

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