y'z factory

ARTIST PICK UP

y'z factory

21世紀は君たちの番だ!
ますます活躍の場を広げるy'z factoryの
ニュー・マキシ・シングル発売。

(初出『Groovin'』2001年2月25日号)

 いやはや成長期とは実に恐ろしいものである。どんなものでもあっという間に吸収し、自らの血や肉はもちろん、知識や技術といったものにしてしまうことは若さの特権なのかもしれない。そして、それは当然音楽にも当てはまるのだろう。その証拠に、彼女達はもはや衰えていくだけの私のような身にはすこし妬ましくも思えるほどの成長を今作『anytime anywhere』で見せてくれたのだ。
 つい先日テレビで見かけた3人の素顔は相変わらず無邪気だった。いまどきの16歳の女の子らしい振る舞いや言動は微笑ましくもある。しかし、こと音楽となると彼女たちは全く違った顔を見せる。今作を聴いてもらえればわかると思うが、彼女たちの作品には若さにかまけた甘えや妥協が一切感じられないのだ。そこにあるのは歌に対する強烈なプロ意識。それが異常なスピードで音楽的成長を遂げる促進剤の役割を果たしているに違いない。
 そんな彼女たちの成長を目の当たりにするかのような今作は、定評のあるハーモニーはさらに広がりを見せ、一段と伸びやかになったヴォーカルが清々しく響く爽やかな楽曲。「何だってやれそうな気がするよ」と問いかけてくる歌詞と、階段をぐんぐん駆け上がっていくように高ぶっていくサビのメロディは、沈んだ気持ちを一気に引き上げてくれる。そしてここで言っておきたいのは、この曲がティーン・エイジャー限定のメッセージ・ソングにとどまっていないということ。事実、10代を遠い過去とする私にも十分過ぎるぐらい、この曲に込められた"未来に向かおうとするパワー"が伝わってきたのだから。
 彼女たち3人を見ていると、音楽シーンに押し寄せた若年化の波も頼もしく思えてくる。この際妙な老婆心は捨て置いて、3人の成長とともにy'z factoryから生まれてくるサウンドに耳を傾けてみることにしよう。

Text by 鮎川夕子(編集部)

『anytime anywhere』
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Maxi Single
日本コロムビア
COCA-15380
¥1,200(税抜)
発売中

「夜もヒッパレ」でも俄然注目を集めるy'z factoryのニュー・マキシ。メンバーの山田優が雑誌『can cam』の専属モデルに起用される等、その活躍の幅は広がるばかり。今作も定評のあるハーモニーとヴォーカルでポップな楽曲を引っ張っている。

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