ゆらゆら帝国

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ゆらゆら帝国

本当は何が欲しい?物質的に満たされ続けたこの国の日常には、何か足りない物がある。
日本ロック復権を目指す、快心作『ゆらゆら帝国Ⅲ』堂々完成!!!
ブッとんだ歌詞の裏側に、破裂寸前の欲望と正義がある。

(初出『Groovin'』2001年2月25日号)

ゆらゆら帝国-A.jpg 最近「軽いサウンド」に妥協していないだろうか?そんな人々に朗報!とうとうリリースされるのだ。ゆらゆら帝国、1年8ヶ月ぶりのニュー・アルバム『ゆらゆら帝国Ⅲ』が!! インディーズから数枚のリリースを経て、98年『3×3×3』でメジャー・デビューを果たした彼らだが、その70年代ロックの重厚な匂いとサイケデリック・ムード漂うサウンドは、現在のミュージック・シーンに存在している事が不思議に思えるほど生々しく響き、インディーズ時代から耳の早い人々には熱狂的ともいえる支持を受けていた。そして99年、歴史的名盤の呼び声も高い傑作セカンド・アルバム『ミーのカー』を発表するのだが、時すでに"R&B全盛"のシーンであったにも関わらず、このアルバムからのシングル「ズックにロック」と共に、バンドの強烈な個性と存在感をアピールする事に成功し、見事スマッシュ・ヒットを記録する事となる。さらにこの年、ミニ・アルバム『太陽の白い粉』の"ダメ押し"とも言えるリリースで、個人的には「次でいよいよブレイク?」なんて期待を持ち始めてしまっていたのだ。そして遂に待望のニュー・アルバムが完成してしまった。
 もちろん"完璧"!しかもこれまでのゆらゆらサウンドは維持しながら、新たにポップという要素を投入することで、鉄壁の"新・ゆらゆらワールド"が完成。初めて彼らの音楽を聴く人も手放しでドップリとはまれるはず。ちなみにこのアルバム、僕は1人でコッソリ聴いた(笑)。悪い事なんて何もしてないのに、何故か後ろめたいのだ。「健全」という言葉とは無縁の、しかし絶対的必要性を感じる「何か」がある。そこが彼らの音楽の最大の魅力なのかも…。また、彼らの異様なテンションの高さと、まっとうなサウンドとのギャップも楽しんで欲しい。ゆらゆら帝国が新たなステージに上がったともいえる今作、要チェック!

Text by 中澤雄二(静岡イトーヨーカドー店)

『ゆらゆら帝国Ⅲ』
ゆらゆら帝国-J.jpg




CD
ミディ
MDCL-1405
¥3,000(税抜)
発売中

待望のニュー・アルバム、遂に完成!そろそろあなたの日本のロックの価値観を根本から変えてみませんか?この「帝国」に入国するに必要なのは勇気だけ。ブルース、サイケデリック、リズム&ブルース、グラム、ヒッピー…探してるものはナンだってあります。


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