WOMAN

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WOMAN

21世紀の幕開けを飾るにふさわしいコンピレーションが登場!
各レコード・メーカーの枠を超え、
女性ヴォーカリストの名曲を余すところ無く収録した決定盤をお試しあれ。

(初出『Groovin'』2001年2月25日号)

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JANET JACKSON

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Bjork

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ERYKAH BADU

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SHERYL CROW

 何はともあれ無事に始まってくれた21世紀。やはりというべきか、年末のテレビ番組は2000年の回顧特集と20世紀をふりかえるもので溢れかえっていた。2000年1年だけを見てもシドニー・オリンピックを頂点とした女性の活躍ぶりからはいよいよスポーツの世界においても女性の天下であることを思い知らされ、私などは日本の活躍を喜びつつも、何とも複雑な思いにもなったりしたもんである。一足先に音楽の分野においてもPOP、クラシック、ジャズを問わず女性アーティストたちの活躍には目を見張るものがあり、私のレコード棚には男女比逆転の傾向が見えつつあるが、それもここのところかなりの急ピッチになっている。優柔不断な私は自分に無いものを備えているものにあこがれてしまうのか、音楽にも確信をもって鳴らされている音や、説得力を持った歌にめっぽう弱いのだが、そういった"いい音"の要素を持つものが圧倒的に女性アーティストに多いのである。いや、そんなことは無いと言う声がそこここから聞こえてきそうだが、こればっかりは譲れないのでどうしようかと困っていたところ、私の思いを代弁してくれるようなすばらしいコンピレーションがリリースされることになった。
 そのものズバリ、タイトルが『WOMAN』。バラード、ロック・ナンバー、ダンス・トラックを問わず、その時代に輝いていた女性たちのナンバーを余すところ無く収録した2枚組である。ここに収められている素晴らしい曲はそれだけでポップ・ミュージックの歴史を彩ってきたのだが、これを聴くリスナーのたどってきた道(人生)の思い出をも彩ってきたのであろう。本来ならば全ての曲について詳しく解説したいところだが、個人的な思いと共に印象的な曲について紹介していきたい。
 1枚目のスタートを飾るシャナイア・トゥエインの「ホエン」。日本においてはまだブレイクまではいっていないが、本国アメリカではカントリー・シーンのみならずPOPシーンにおいてもビッグ・ネームであり、ここ日本でも間違いなくヒットするであろう注目株。TBSドラマ「チープ・ラヴ」を見ていた人はオープニング・テーマに使われていたので分かるはず。次にシェリル・クロウの「イフ・イット・メイクス・ユー・ハッピー」。グラミー賞を獲得したセカンド・アルバムの中でも一番ドラマチックで彼女の魅力が出ている1曲であり、個人的にも一番好きな曲。そしてシンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」。曲自体がすでにスタンダードになっており、多数のアーティストにカヴァーされているが、なんといってもシンディ・ローパーのヴァージョンが最高。ちょっとしたドラマ仕立てになっていたビデオ・クリップと共に恋のせつなさをみごとに表現した逸品だ。
 2枚目に入ってスザンヌ・ヴェガの「ルカ」。近年アメリカの女性シンガー・ソングライター豊作時代のトップ・バッターであり、幼児虐待という社会問題を歌ったにもかかわらず大ヒットを記録した。今の日本にこの歌は最も響くかもしれない。そして、ジェニファー・ラッシュの「ザ・パワー・オブ・ラブ」。今となってはセリーヌ・ディオンの歌唱が有名であるが、作曲者である彼女のヴァージョンはぜひオススメしたい。しっとりとした落ち着きのあるヴォーカルは楽曲の魅力を引き出している。
 歳のせいもあり、比較的古めの曲ばかりになってしまったが、ブリトニー、ローリン・ヒル、ジェニファー・ロペスといった今をときめくアーティストの曲も満載。自分の大切な思い出の傍らにぜひ、このCDをお忘れなく。

Text by 作山和教(市原東五所店)

『WOMAN』
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CD(2枚組)
ユニバーサル インターナショナル
UICZ-1006〜7
¥3,048(税抜)
2月28日発売

20世紀のPOPシーンを総括した女性アーティストのみのコンピレーション。幅広い時代のアーティストからの選曲はどんな世代のファンにも新たな発見をさせてくれそう。収録アーティストの多彩さ、豪華さは目が眩むばかり!


『WOMAN』収録曲
【DISC 1】シェリル・クロウ「イフ・イット・メイクス・ユー・ハッピー」/ユーリズミックス「スィート・ドリームス」/ブリトニー・スピアーズ「ベイビー・ワン・モア・タイム」/ジャネット・ジャクソン「ランアウェイ」/ローリン・ヒル「ドゥー・ワップ」/ビョーク「ヨーガ」/シンディ・ローパー「タイム・アフター・タイム」/メイヤ「オール・バウト・ザ・マネー」/ザ・コアーズ「ホワット・キャン・アイ・ドゥ」/メアリー・J・ブライジ「ナチュラル・ウーマン」他、全18曲。

【DISC 2】マライア・キャリー「ウィズアウト・ユー」/スパイス・ガールズ「グッドバイ」/スザンヌ・ヴェガ「ルカ」/クランベリーズ「ジャスト・マイ・イマジネーション」/リサ・ローブ「ステイ」/エリカ・バドゥ「オン&オン」/シャーデー「ユア・ラヴ・イズ・キング」/スイング・アウト・シスター「ブレイクアウト」/ディスティニーズ・チャイルド「バガブー」/ヴァネッサ・ウィリアムス「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」/セリーヌ・ディオン「哀しみのハートビート」他、全18曲。

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