坂本真綾

ARTIST PICK UP

坂本真綾

青空と太陽の光がよく似合う、真綾ワールドへようこそ!
みずみずしい歌声に内包された強さといさぎよさ。
最新アルバム『Lucy』、あなたにとっても大切な1枚になるはず。

(初出『Groovin'』2001年3月25日号)

坂本真綾-A.jpg 実を言うとここ数年、1枚のアルバムを何回も聴きこむ、という事のほとんどない私だ。そりゃ好きなアーティストはたくさんいるし、そのアーティストの新しいCDが出ればとりあえず買うのだが、2〜3回聴いて「ああ、はいはい、こんな感じね。」…メチャメチャ不謹慎な態度だ。ゴメンナサイ。従って、最近の私の頭の中にセーブされている音楽ファイルは、テレビ、ラジオ、コンビニなどで耳にする回数の多かったモーニング娘。が1位を占めてるんじゃないのかと思う。(いや、あゆやヒッキーかもしれないけど)が!が!が!1999年の年末、久々に家でも車でもひたすら聴きまくるというアルバムが現れた。
 それが坂本真綾の前作『ハチポチ』。伸びやかで透明感のある歌声と、プロデューサーである菅野よう子が作り出す独特の音のセンスに、私は一発で参ってしまった。歌唱力を誇示するようなヴォーカルではないし、英語詞の曲はいかにも日本人が歌ってるな〜っていう感じもする。楽しい歌ばかりではなく、切ない歌や、すっぱい現実に揺れ動いたりする歌もある。けれども聴いてるうちに非常に心地よく、幸せな気持ちになってくる稀有なアルバムなのだ。その昔、初めてスウェーディッシュ・ポップに接した時の印象にもちょっと似てるような気がする。軽く、スーッと心の中に入り込んできて、ポワッと灯がともるような感じ。
 坂本真綾の存在は、声優のフィールドではかなり知られていた。8歳の時から劇団に所属し、数多くのアニメ、ゲーム、洋画の吹き替えに参加、「スターウォーズ・エピソード1」のナタリー・ポートマン演じるところのアミダラ役の吹き替えも彼女の声だ。そんな中で出会った菅野よう子(このお方も知る人ぞ知る、熱狂的なファンを持つ作曲家・プロデューサー。光栄のゲーム・ファンならこの名前は知っておかないとダメですよ!)のプロデュースにより、97年16歳のときに『グレープフルーツ』でアルバム・デビュー。翌年2ndアルバム『DIVE』を発売、99年にはシングル・コレクション『ハチポチ』を発売、そして2001年3月28日、待ちに待ったニュー・アルバムである今作『Lucy』が発売されることになった。この機会に、これを読んでくれているみんなに是非、歌い手としての坂本真綾を知って、聴いてもらいたいと思う。
 今作のプロデュースはもちろん菅野よう子。全12曲のうち7曲の作詞を坂本真綾自身が手がけている。今原稿を書いている時点ではアルバムの全貌はまだ明らかになっておらず、私もそのうちの何曲かを聴いただけなのだけれど、一番に感じたのは、みずみずしい歌声の中に内包された、今までにないほどの彼女の強さやいさぎよさが、肩に力が入っているわけではなく、21歳の等身大の世界として自然に展開されているという事。それでいながら彼女の"純粋に歌が好きだ"という気持ちが伝わってくる、またもや私のヘヴィー・ローテーションを軽々と獲得してしまいそうな作品なのだ。今、オフィシャルHPを見たら早くもこのアルバムのジャケットが公開されていた。ギターを抱え、空を見上げる真綾嬢。うん、イイじゃないですか。5月には2回目の単独ライヴ開催が決定、昨年8月に初めて行われたライヴのチケットは5分で売り切れたそうなので、ニュー・アルバム発売後のライヴという事も相まって、今回もチケット争奪戦は熾烈になるに違いない。うー、私も行きたいよお〜!

Text by 立石四織(吉原ユニー店)

『Lucy』
坂本真綾-J.jpg




CD
ビクターエンタテインメント
VICL-60702
¥2,900(税抜)
3月28日発売

10万枚を超えるスマッシュ・ヒットとなった前作『ハチポチ』から約1年4ヶ月ぶりのニュー・アルバム。全12曲中7曲の作詞を坂本真綾本人が手がけている。「地球少女アルジュナ」テーマ・ソング「マメシバ」収録。3月に21歳になったばかりの彼女の等身大の世界が見える1枚。プロデュースはもちろん菅野よう子。

【Official web site 坂本真綾 【I.D.】】http://www.jvcmusic.co.jp/maaya/

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