COO

不思議な色彩感を持ち、聴き手に映像的な想像を喚起させる言語感覚と歌声。
COOの歌で心に焼き付く絵、それが今作「青い赤」だ。

BRAND NEW ARTIST
COO

 ここに1人のヴォーカリストがデビューした。彼女の名前はCOO。バンドマンの父と音楽好きな母の元で、幼い頃から歌手になりたいという願望を抱き、14歳の時に本格的にレッスンを始める。その後70年代ソウルに強い影響を受け、オリジナルを作り始める。インディーズで作品を発表した後、デビュー。この経歴だけをみると巷にあふれる女性ヴォーカリストと一括りにされそうだが、その判断はこのデビュー・マキシ「青い赤」を聴いた後でして欲しい。
 今作の詞にも言えることだが、彼女の音楽には鋭い色彩感がある。曲が進むにつれて濃く、激しく重ねられていく色。それが聴く者の心の目を捕らえて離さない。例えば、今作ではサビの部分からストリングスを入れたドラマティックなアレンジと同調するように彼女の歌声はエモーショナルになっていき、歌詞もずんずんと核心に迫っていく。そして曲の最後で彼女の描いた世界が見えてくるのだ。
 それにしても比較的ポップな声質のヴォーカルなのに、こののしかかってくるような重さはいったい何なんだろう?何十回と聴いた後でも、結局その答えは見つからなかった。でも、最初は予想もつかなかった「青い赤」が意味するものは確かに見えた気がする。自分の色でしっかりと世界を描ける貴重なヴォーカリスト、COOの誕生だ。

Text by 鮎川夕子(編集部)
(初出『Groovin'』2001年3月25日号)

『青い赤』
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Maxi Single
ビクターエンタテインメント
VICL-35212
¥1,000(税抜)
発売中

新感性ヴォーカリスト"COO"のデビュー・マキシは、彼女の深みのある歌詞世界と強くて大きなメロディが心を揺さぶる楽曲。タイトルの意味は聴けば必ず見えてくるはず。TBSテレビ「CDTV-Neo」2〜3月度エンディング・テーマ。

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