the tambourines

ARTIST PICK UP

the tambourines

pop×cute×happy+センチメンタル=the tambourines
目に映るすべてのものがハッピーに動き出す…
そんな季節にピッタリのポップ・チューン登場!

(初出『Groovin'』2001年4月25日号)

 ポップでキュートでハッピー、そして少しの切なさをエッセンスにデビューを果たす"the tambourines"。Vocal.松永安未を中心にドラム、ベース、マニュピレーターの4人で構成される彼らの醸し出す音は、バンド名にもなっている"tambourine"のすがすがしい響きと遊び心にあふれている。Vo.松永安未の音楽への志向はラテン、ボサノヴァ、フレンチ、ジャズ・ファンクと絶えず進化し続け、最近はギター・ポップ、ソフト・ロックを好むという。そんなジャンルやカテゴリーにとらわれず、リズムやコード感の心地よさをこよなく愛する彼らの感性がぎっしり詰まったデビュー・マキシ・シングル「easy game」。弾けるビートは瑞々しさに溢れ、ソフトでキュートなヴォーカルが作り出すグルーヴは、これから始まる新しい季節を思わせる。そんな極上のポップ・サウンドにのせて展開されるのは、近寄れば遠ざかる逃げ水のごとくつかみ所のないちょっぴり複雑なオンナゴコロ。
 "追いかけないで"と言われればなおさら追いかけたくもなるという思いを知ってか知らずか、"なぜか逃げてしまうから"というアマノジャクさはどうしようもない。でも、そのどうしようもなさこそ、この歌詞の最大の魅力であり、松永が描きたかった「女性のわがままさ」にほかならない。「easy game」のテーマともいえる「わがまま」は、"好きだから嫌いよ"と自分でもコントロールしがたい感情を包み隠さず詞にしているところにもみえている。一見むちゃくちゃにみえる言動も、自分の心を開いた"君"にだからこそ生まれてくる感情。そんな彼女に振り回されながらも目が離せない"君"とのストーリーが、この曲からは自然に浮かんでくる。だから、目まぐるしく変化する自分の心の赴くままに、わがままさやむちゃくちゃさを炸裂させても、そこに描かれる女の子はとても魅力的で人を惹きつけずにいられない。それは、好きなものは好きだし、いつまでも自分にとって輝いていて欲しい、という自分自身の感情をごまかさずに表現しているから。多くの人は自分に正直になろうと思ってもなかなか正直になれなかったり、思っていることをなかなか口に出せなかったりする。だけど松永安未は「人間として汚い部分も含めて正直に書いていきたい」と、リアルな感情を歌詞として綴っている。だから「easy game」は、決して恋愛だけに縛られず、夢や理想といった、自分が必死になって何かを求めようとする心情にも重ね合わせることができる。ちなみに松永安未が望む距離感は「付かず離れずの状態」。そうやってベストな距離感を自分だけじゃなく、相手にも求めるのは決してイージーなことではないけれど、それさえも率直に言ってしまう松永安未の歌詞は、聴けば聴くほどハマってしまうにちがいない。
 また、c/w「yesterday is over」では、「歌詞だけではなく、自分がイメージする音楽を自分で作ってみたほうが、より自分が求めているカタチになるんじゃないかと思った」という松永によって書き溜められていた中からチョイスされた曲。春の深緑を思わせる明るくポップなナンバーは、これからの可能性を感じさせる。
 今後どのように変化を遂げていくのか、何かが新しく始まりそうな予感を秘めて動き始めた"the tambourines"から目が離せない!

『easy game』
the tambourines-J.jpg




Maxi Single
GIZA studio
GZCA-1071
¥1,200(税抜)
発売中

「easy game」は松永安未のソフトでキュートなヴォーカルが、弾けるような瑞々しいビートにのせて届けられるハッピーなナンバー。また、松永が作詞・作曲を手掛けたc/w「yesterday is over」は、明るい春を感じさせるポップな仕上がり。デビュー・マキシにして彼女の可能性を感じさせる1枚。

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