DOMINO88

ARTIST PICK UP

DOMINO88

アメリカのドタバタ・アニメを連想してしまいそうなほどのワクワク感!
音楽のハッピーな部分だけを集めた
スカ系パンクなパーティー・バンド。

(初出『Groovin'』2001年4月25日号)

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 ここ数年、ブラスが入ったバンドを多くみかけるようになった。かと言って、そういったバンドが今までなかったわけではなく、今まで以上に身近でメジャーなものになったといった方がいいのかもしれない。メンバーとしてブラスが入ったバンドというと、ファンク系の米米クラブ、ブラス・ロックのスペクトラム(ちょっと古いかも…)、そしてフュージョン系やアシッド・ジャズ系などのイメージ。どちらかというと"渋い"という印象を受ける。その"渋い"という印象が今"カッコいい"に変わってきている感じ。今や音楽シーンを語る上で欠かせないインディーズ。このインディーズにおいても、ブラスが入っているスカ系パンクの人気は絶大だ。(それゆえ、中高生の間ではブラスバンド部の人気があるとかないとか…。)その中でも実力のあるバンドは、次々とインディーズからメジャー・シーンに飛び出していく。
 そして、ここにまた1つメジャー・シーンに飛び出そうとしているバンドがある。それがDOMINO88。彼らはヴォーカルのキヨシ、ギターのマサヒロのコシノ兄弟とドラムスのシンタローを中心とし、ホーン・セクションの3人娘、オト、マイ、カオリの6人からなる。昨年12月にベースのヒラタの脱退をはじめ、過去何度かのメンバー・チェンジを経て現在にいたる。ここでインディーズ時代の活動を簡単にまとめてみたいと思う。96年2月、バンド結成。同年7月に自主カセットを制作し、300本を売り切る。これだけでも彼らの人気と実力が伺える。そして98年8月、SCHOOL BUS RECORDSから、1stマキシ・シングル「DO YOU WANNA POP?」をリリースし、SNAIL RAMP、KEMURI等とツアーを決行。99年7月には、1stアルバム『FRIENDS OF LONG STANDING 』をリリース。このアルバムは、インディーズ・シーンで大きな反響を呼ぶとともに、彼らの存在を多くの人に知らしめるものとなった。現在でも売れ続けているこのアルバム、興味のある方は是非聴いて欲しい。
 彼らの魅力は、スカやパンクには留まらないポップさと柔軟さにある。ホーン・セクションの女性陣が務めるコーラスがとてもキュートなのが、そのポップさの一要因ではないだろうか。また、型にはまらない自由な発想が、時にリズムを黒っぽくしたり、ブラスがジャズやフュージョンを思わすほどブロウしたりする。
 そして、彼らにとって2ndアルバムとなる本作『Cartoon Cafe』がリリースされる。1曲目から最後まで、スカ系パンクが好きな人はノックアウトされてしまいそうなナンバーがギッシリ詰まっている。個人的には、実在するサッカー選手に捧げたというハイパー・ポップ・チューン「ELEVEN」がオススメ。このアルバムを聴いていてふと頭をよぎったものは、ウッドペッカーやバックスバニーなどのアメリカのドタバタ・アニメ。アルバム名が『Cartoon Cafe』というのもなんとなくうなずけてしまう。(Cartoon=マンガ、アニメ…、たしかそんなニュアンスのもの。アメリカのドタバタ・アニメというのがしっくりくる。)このような意味においても、とてもハッピーな気分にさせてくれる。あえていうならば、スカやパンク、ポップスなどのハッピーな部分だけを集めたパーティー・バンドといった感じだろうか。さて、もうすぐ5月。春のポカポカ陽気に誘われるかのようにワクワクするようなハッピーな彼らの曲を聴いてみては如何だろうか。

Text by 常盤安信(秦野店)

『Cartoon Cafe』
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CD
BMGファンハウス
BVCS-27012
¥2,200(税抜)
発売中

インディー盤の1stアルバム『FRIENDS OF LONG STANDING』がロング・ヒットを続ける中、彼らにとって2作目のアルバムがメジャー・デビュー第1弾としてリリース。1st Maxi Singleに収録されていた「PEACE」、最新シングル「Please Please Baby」の新録を含む全10曲。

【DOMINO88 official website】http://www.posmusic.com/domino88/

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