スティーヴ・ハケット

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スティーヴ・ハケット

元ジェネシスのギタリスト、スティーヴ・ハケットが、
弟のフルート奏者、ジョン・ハケットとのユニットで、
エリック・ サティのピアノ楽曲を爽やかに美しく変身させました。

(初出『Groovin'』2001年4月25日号)

 スティーヴ・ハケットは1950年にロンドンで生まれる。第4期のジェネシスにギタリストとして参加。スティーヴのギターとフィル・コリンズのドラムスはこのグループに格段の演奏力をもたらした。ジェネシスに在籍中の1973年、ソロ・アルバム『侍祭の旅』を発表。1977年のジェネシスのアルバム『静寂の嵐』を機に完全なソロ活動に入る。最新作『Darktown』まで、ソロ作品は18作にものぼる。その間にも、スティーヴ・ハウとGTRを結成し、2枚のアルバムを残している。英国を代表するロック・ギタリストとして、その地位は不動なものがある。
 エリック・サティは1866年フランスに生まれた。13歳でパリ音楽院に入学、主にピアノ科で学ぶ。ロマン主義が台頭する19世紀の終末期、サティは1人、ギリシャ文化やゴシック建築、グレゴリア聖歌に傾倒する風変わりな学生だった。パリで万国博が開かれ、エッフェル塔が建てられた1889年前後、サティは、モダニズムとハイテク、そして今流に言えば、エスノから得たものをいち早く「グノシェンヌ」の作曲に投入している。その後サティは新進作曲家、ドビュッシーや年下のラヴェルに認められたり、心酔されたりする。1925年に病死したが、サティの生み出した音楽は20世紀後半、家具としての音楽、風景や環境の音楽の思想を打ち出した先駆者として高い評価を得ることになる。後年多くのピアニスト達が、この秀逸な作家の作品を取り上げた。
 ではどうして、スティーヴ・ハケットがこのアルバムを作ることになったのか?ライナー・ノーツにスティーヴが自ら記した一文を紹介しておこう。「ジョンと僕はサティの音楽に関連したプロジェクトについて充分な話し合いをした。我が家は音楽好きな家族だったが、特にクラシック音楽愛好家族というわけではなかった。しかし、僕たちがこの楽曲に巡り会ったのは、ごく自然なことだったのかも知れないと思う。サティは時代の先端をいっていた人物だと思う。しかし、ピアノからの移調にはそれなりの問題があった。オリジナルのキーはフルートには完璧だと思ったが、ギターの音域とは、はるかにかけはなれていたのだ。そこでピアノの音域に合わせるために調弦が必要だった。ジョンはこれほどまでに素晴らしい音を出したことがないと思う。明らかに、彼はサティを演奏するために生まれてきたと僕は思う。フランスを代表する最もオリジナリティある作曲家の初期の作品の美しさに、僕たちが虜になったように、皆さんも魅了されることを期待して…。」(スティーヴ・ハケット)

『エリック・サティの風景』
スティーヴ・ハケット-J.jpg



CD
ネットワークレコード
NXCA-00023
¥2,800(税抜)
発売中

元ジェネシスのギタリスト、スティーヴ・ハケットの最新プロジェクトが到着!多くのアーティストに取り上げられたエリック・サティの作品をアコースティック・ギター(スティーヴ・ハケット)とフルート(ジョン・ハケット)で表現するという試みです。「グノシェンヌ」や「ジムノペディ」が軽やかに爽やかに変身。

【HackettSongs - Steve Hackett Official Website】http://www.hackettsongs.com/

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