長谷実果

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長谷実果

大人びた歌詞にあどけなさが残るヴォーカルが魅力的なニュー・カマー、長谷実果。
昨年15歳でイギリス・インディーズ・デビューを果たし、
2001年、16歳で日本メジャー・デビュー・シングル「KISS」を遂にリリース!

(初出『Groovin'』2001年5月25日号)

長谷実果-A.jpg 昨年、弱冠15歳でイギリスのインディーズ・レーベル"MLP records"よりインディーズCD「Secret Garden e.p.」をリリースした長谷実果が、16歳となった今年5月23日に日本でもメジャー・デビューを果たした。「Secret Garden e.p.」はイギリスのみならず、ドイツやギリシャのCDショップにも流通され、それが欧州全域へも広がりを見せていたが、ここ日本でも外資系ショップなどで発売されリスナーからは反響を得ていた。
 ここで、ラッキー・ガールの誕生か?!と安易に思ってしまう所だが、長谷実果はわずか16歳でありながらも、アーティストとして歌を歌う事に幼い頃からずっと憧れていたという。本格的に意識し始めたのは小学校5年生ぐらいからで、既に周りには"アーティストになるんだ!"という思いを言い続けていたそうだ。そして、その頃から自分でラジカセに歌を吹き込んで聴いたり、詞も書くようになったりと、憧れだけではなく自発的に行動も起こしていた。つまり、15歳で海外デビューが出来たのも、彼女からすれば早いという感覚ではなく、数年がかりの努力の結果が実ったもの。それは彼女の「自分と同じ年頃の子が歌手でデビューしているのを見てすごく焦っていた」という言葉からも分かるだろう。デビューのきっかけは、あるオーディションにデモ・テープを送り、それがイギリスにゆかりの深いディレクターの目に留まり、イギリスのインディーズ・レーベルから作品をリリースしないかという話が持ち上がった事から始まったそうだ。
 デビュー・シングル「KISS」は、今まさにスタート地点に立っているという空気感をイメージさせる、瑞々しくエモーショナルなサウンド展開のミディアム・ポップ・チューン。未来を見つめる瞳をそっと開くと、眩いばかりの光が前から差し込んでくるような、そんな清々しさに満ちている。歌詞はもちろん彼女の手によるものだが、16歳にしては大人びた、どこか憂いを含んだラヴ・ストーリーが描かれている。自身の詞世界については「自分が主人公というよりは、何かの場面を設定して、その中の女の子がどんな風に感じているのかを想像して、外からその世界を見ている感じ。でも書き進めていく内に、どんどん主人公に自分が重なっていくみたいです」と言っていた。詞を書くアーティストの大半は、サウンドから受けた世界観を詞に落とし込んでいくのだが、「KISS」「傷付きながら…もがきながら…」の2曲は共に書き溜めていた歌詞に曲を付けていったという、詞先という珍しいパターン。既に数十遍の歌詞を書き溜めている彼女だが、次作も詞に曲を付けたもので制作中だとか。大人びているのにどこかあどけない甘さが漂ったヴォーカルも、ホッとした気分にさせてくれる彼女の魅力の一つ。
 一見、物静かな彼女だが、発する言葉には強い意志が響き、その奥深くには未知の可能性が光っていた。今年の要チェック・アーティストとして、長谷実果の名前は是非心に留めておいて欲しい。

『KISS』
長谷実果-J.jpg




Maxi Single
GIZA studio
GZCA-1079
¥1,200(税抜)
発売中

「KISS」は少し大人びた切ないラヴ・ストーリー。C/Wは傷付きながらも未来を信じたいといった、力強い気持ちが描かれている。3曲目のボサノヴァ・テイストのリミックスは、リヴァプールで活動しているBlue Monday'sが手掛けている。


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