ゼリ→

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ゼリ→

疾走する音の塊を見逃すな!
ゼリ→待望のセカンド・アルバム
『NO NEED』が到着!

(初出『Groovin'』2001年5月25日号)

ゼリー-A.jpg 衝撃の1stアルバム『RODEO★GANG』から約1年、ゼリ→がセカンド・アルバム『NO NEED』を完成させた。その間3枚のマキシ・シングルをリリース、2度のライヴ・ツアーを行う等、精力的な活動が続いていたが、やはりニュー・アルバムの発売はファンにとって待ち遠しいイベントだろう。
 待望の新作となるこのアルバムには、ゼリ→が持つ独自のスピード感がよく表れている。もちろんアップ・テンポな楽曲にこそ彼らの持ち味が上手く出るのは事実だが、テンポ云々を越えた、バンド自体が持つ圧倒的なスピード感、それがこのアルバムには確かに存在している。
 だらだらと流れていく時間がもどかしくて、走り出さずにはいられない、そんな彼らの性急さにはロックの原点を垣間見ることが出来る。ギターをかき鳴らし、叫ぶように歌う「sex on the beach」のパンキッシュなアプローチは、ライヴでオーディエンスを熱くさせる可能性大だし、ヤフミの書く荒々しく尖った歌詞はどれもしっかりと自己主張している。また、「次の晴れた日に」や「光の残骸」のポップ感や、ヤフミのヴォーカルの表現力が際立つナンバー「TWO WATER FLOW」で見せるメロディアスな部分があるからこそ、さらに増していくスピード感もあるような気がする。心を急がせるメロディといったらいいだろうか?リスナーの脈拍を自然と上げてしまうような効果を持っているのだと思う。
 そして特筆すべきはラストに収録されている「6/8」だ。ドラマティックなメロディが胸を打つミディアム・ナンバーは、疾走感あふれるこのアルバムの中にあって異色な感じもするが、彼らの音楽に対する決意が表現された名曲であることは間違いない。「だからこの歌が残ればいい だからこの歌が刺さればいい」と締めくくられる歌詞に、彼らの音楽が持つ"スピード"の源が見えるような気がする。
 33分01秒、ゼリ→の音の塊が駆け抜けていくような今作。うかうかしていると、このスピードに乗り遅れてしまう。一刻も早く手に入れて欲しい1枚だ。

Text by 鮎川夕子(編集部)

『NO NEED』
ゼリー-J.jpg




CD
東芝EMI
TOCT-24548
¥2,800(税抜)
発売中

前作『RODEO★GANG』から約1年ぶりにリリースされるセカンド・アルバムは、スピード感とポップ感あふれる作品。メロディアスな楽曲にはただならぬセンスを感じる。5/29から全国ツアーへの期待も高まるファン必聴の1枚。

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