Kiroro

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Kiroro

Kiroroのニュー・シングル
「Best Friend」、いよいよリリース。
友達に心から贈る"ありがとう"をメロディに乗せて…。

(初出『Groovin'』2001年5月25日号)

 Kiroroの歌には、人の心を優しく包み込むような、とても素朴な温かさがある。まるで肌触りのいい毛布にくるまれているような心地よさ。それはよく言われるように、2人の飾らないキャラクターによるところもあるのだろう。だが私は、彼女たちが歌にして伝えようとする愛情が、広くあらゆるものに向けられているからなのでは?と思っている。女性アーティストが描く愛情といえば、そのほとんどが異性に対するものだ。それはそれで素晴らしいことだけど、私たちはもっとたくさんの人や物に対して愛情を注いでいるはず。Kiroroはそんな愛情をちゃんと歌で表現してくれる貴重なアーティストなのである。
 「Best Friend」というタイトルどおり、この曲で表現されているのは友達への愛情、つまり友情だ。辛いときに笑顔で見守ってくれる大事な友人への感謝の気持ちが、とても素直な言葉で綴られている。例えば、サビの部分で繰り返される「ありがとう」。この日本で一番美しいと言われる言葉が、Kiroroのメロディに乗ることで、より一層美しく響いてくるから不思議だ。そして「あなたの笑顔に 何度助けられただろう」という印象的なフレーズは、ここで歌われている友情の深さを自然と物語っている。
 とにかくメロディの美しさが印象的な今作だが、ピアノを中心にしたシンプルなアレンジやウッド・ベースの柔らかい音色が、そのメロディ・ラインを鮮やかに引き立たせているようだ。また、玉城千春のヴォーカルはいつにも増して自然体である。まるですぐ隣にいる友達に優しく話しかけているような感じ。そしてそのさりげないヴォーカルが、ここで歌われる「ありがとう」という歌詞にリアリティを与えているんだと思う。いつもそばにいてくれる友達には、さりげないその一言で十分伝わるのだから。
 Kiroroが届けてくれた素敵な愛の歌。そして、この曲がこんなに温かく響いてくるのは、彼女たち2人がお互いを「Best Friend」だと感じながら奏でているからではないだろうか。

Text by 鮎川夕子(編集部)

『Best Friend』
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Maxi Single
ビクターエンタテインメント
VICL-35255
¥1,000(税抜)
6月6日発売

Kiroroのニュー・シングルはNHK連続ドラマ小説「ちゅらさん」の主題歌としてオンエア中。沖縄と東京を舞台に力強く生きるヒロインの姿を描いたドラマにぴったりハマるミディアム・ナンバー。国民的ポップスはやっぱりKiroro!と思わざるを得ない1枚。

【Kiroro official web site】http://www.victormusicarts.jp/kiroro/top.php

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