Jungle Smile

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Jungle Smile

Jungle Smileのニュー・マキシ・シングルが到着。
孤独に押しつぶされそうな心をそっと抱きしめてくれる…
そんな優しい楽曲になりました。

(初出『Groovin'』2001年5月25日号)

 「自分は誰にも必要とされていないのかも…」そんな漠然とした不安感を孤独と言うんだろうか。ダメな自分を嫌悪するあまり、みんなに"必要とされている"はずの優等生で人気者のあの子をうらやんでみる。だけど、たくさんの友達に囲まれて毎日笑顔で振る舞っていたあの子が見せた涙は、心の奥ではどうしようもない孤独と戦っていたことを証明していた…。
 Jungle Smileのニュー・マキシ・シングル「抱きしめたい」の中で、高木郁乃が語るストーリーはとても具体的で、まるで過去の日記を読み返しているように、シチュエーションとその時の気持ちが切々と綴られている。その言葉は私たちに優しく語りかけるようでもあり、自分に言い聞かせているようでもある。また、古い映画を見ているような、暖かい懐かしさを感じさせるサウンドとメロディは、たおやかなポップ感を持っているが、時折「え?!」と思うような実験的な部分も見られる。こうした"ポップさ"と"アバンギャルド"が絶妙に同居しているところもJungle Smileの魅力だろう。
 そして、Jungle Smileと出会った当初から、私がずっと感じていることがひとつ。高木郁乃という人は本当にウソがつけない人なんだなあということ。彼女は歌の中で、情けない出来事だって、落ち込んでいる自分だって、何一つ取り繕うことなくさらけ出してきた。だから今作で見せた「抱きしめたい」という優しさは、そんまんま素の彼女の優しさなんだろうと思う。そして今、それを楽曲にして人々に伝える新たな"強さ"を手に入れたに違いない。そういう意味でも今作は、高木郁乃にとって特別な意味を持つ楽曲ではないだろうか?
 人は他人の孤独が理解できたときに初めて、自分の孤独から抜け出せるのかもしれない。そして、ちょっとだけ優しくなれる。私はまだ孤独から抜け出せないでいる人間の1人だ。だから今は、Jungle Smileのこの曲に抱きしめられていたい…そう思う。

Text by 鮎川夕子(編集部)

『抱きしめたい』
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Maxi Single
スピードスター
VICL-35243
¥1,100(税抜)
発売中

Jungle Smileの21世紀最初のシングルとなる本作は、優しく切ないミディアム・ナンバー。テレビ東京系アニメ「超GALS!寿蘭」エンディング・テーマ。カップリング・ナンバー「東京、さびしんぼ。」のクリップ(吉田ゐさお演出!)を収録した CD-EXTRA仕様。

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