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全曲カヴァー作で構成された待望の2ndアルバムは
NHK『青春のポップス』エンディング・テーマを含む
感動的なポップ・ミュージック満載の充実作。

(初出『Groovin'』2001年5月25日号)

rua-A.jpg あなたはカヴァー・ソングというと、どんな曲を思い浮かべるだろうか?例えばホイットニー・ヒューストンが歌い、映画『ボディ・ガード』の主題歌として全米1位を記録した「オールウェイズ・ラヴ・ユー」や、ライチャス・ブラザースの60年代の代表曲で、映画『ゴースト』で使用され90年に再ヒットを記録した「アンチェインド・メロディ」も実はカヴァーなのだ。そしてこの2曲に共通するのが、オリジナルが発表されてから長い年月を経た後、再ヒットしている点だ。次々と新曲が発売されるサイクルの早いJ-POPSシーンに慣らされている若い世代から見れば、これは驚きかも知れない。しかし洋楽においてはこれは珍しいことではなく、それはアメリカにおけるポップスやロックが、それ以前の先達から受け継がれてきたサウンドやスタイルの延長線上に位置し、歴史と伝統に則った形で発展し、現在にまで脈々と受け継がれてきたことを物語っている。
 本作『青春のポップスII〜Superstar』は、全曲カヴァーで構成されている。懐かしい名曲がrua流のスタンスで再現された、とても興味深い作品だ。ruaは現在NHKテレビの『青春のポップス』にレギュラー出演中の姉弟ユニットで、その美しく洗練されたハーモニーで多くの音楽ファンの心を魅了してきた。本作に新曲は入っていないが、彼らの故郷に伝わるマオリ民謡をいわば彼らのオリジナル曲的位置づけの作品として今回も取り上げるなど、ruaらしさが溢れる仕上がりとなっている。さらに矢井田瞳のバンドでも活躍中の女性ドラマーKATSUMIや、ruaの大ファンというザ・コレクターズのギタリスト、古市コータローが参加している点も要チェックだ。
 オールド・ファンにも、そして初めて耳にした若い人にも平等に感動を与えられるパワーを持ったものこそ、優れたポップ・ミュージックなのだと、僕は思う。そういう意味でも『青春のポップスII〜Superstar』は、色々な年齢層の音楽ファンに是非聴いてもらいたい作品だ。そしてこれをきっかけとして、あなたの音楽ライフの扉が広がっていったら、こんな嬉しいことはない。

Text by 土橋一夫(編集部)

『青春のポップスII〜Superstar』
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CD
テイチクエンタテインメント
TECN-26712
¥2,476(税抜)
発売中

NHK『青春のポップス』でもおなじみのruaの新作は、カヴァー・ソング満載。中でもカーペンターズの「スーパースター」や、声を何度も重ね完成した厚いコーラスがとても印象的な10ccの「アイム・ノット・イン・ラブ」のカヴァーは、特筆もの。


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