シュガー・レイ

ARTIST PICK UP

シュガー・レイ

一切の贅肉をそぎおとし、
浮かび上がったメロディーとグルーヴ。
シュガー・レイ、2年振りのニュー・アルバムは楽曲重視の意欲作!

(初出『Groovin'』2001年5月25日号)

シュガー・レイ-A.jpg 今や一昔前の王道路線のロックを完全に凌ぐほど、支持層を持つようになったミクスチャー・ロック。音的にハードコアなラップや、ギンギンのメタル・サウンドで"ゴリ押し"する、過激なヘヴィー・ロックとイメージされがちではあるが、実はそういうものばかりではない。ロック、ポップス、パンク、ジャズ、ヒップホップ、レゲエから、クラシック、現代音楽まで…、広義には2つ以上のジャンルの音楽的要素が感じられれば、それで「ミクスチャー」と括る事ができるからだ。
 シュガー・レイは95年に『レモネード&ブラウニーズ』でシーンに登場し、これまで3枚のアルバムをリリースしている、カリフォルニアはオレンジ・カウンティー出身の5人組グループ。もちろんデビュー時よりミクスチャー・ロックではあったし、バンドとしての才能も感じてはいたのだが、あまりに型破りなキャラクターからか、当時は"色モノ"というイメージが強かった。
 そんなシュガー・レイのブレイクのキッカケとなったのは、97年発表のセカンド・アルバム『シュガー・レイのアメリカン・ドリーム'97〜アメリカン街道まっしぐら、俺らに勝る敵はナシ!』であることは間違いない。その後の活動を考えると、ちょうどレッド・ホット・チリ・ペッパーズが名盤『母乳』を発表した時期にも似ている。そこからのファースト・シングル「フライ」は、レゲエ界の大御所スーパーキャットをフィーチャーし、見事ロング・ヒットを記録した好楽曲で、こうしたシングルのヒットというのは、ミクスチャー系のバンドでは異例な事でもあった。そして、このヒットが一連の"オレンジ・カウンティー・ブーム"に火を点けたのは言うまでもない。
 しかし、この「フライ」のヒットは決して一過性ではなかった。彼らの本当の実力は、99年リリースのサード・アルバム『14分59秒』で発揮されることになる。ヴォーカルのマーク・マッグラス曰く「結局、メロディーに帰ったんだ」というこのアルバムでの突然の大ブレイクと環境の激変…。まさにシュガー・レイは究極的結論に辿りついたのだ。「エヴリ・モーニング」「フォールズ・アパート」「サムデイ」と、大ヒット・シングル3曲を収録した『14分59秒』は、セールス的にも大成功をおさめ、日本での人気もついに爆発したのだ。
 そして、あれから約2年。通算4枚目となるニュー・アルバムは、タイトルも『シュガー・レイ』。リード・シングルに決定している「ホエン・イッツ・オーヴァー」などを聴くかぎりでは、前作『14分59秒』のほぼ同一線上にあるといっていいだろう。プロデュースにリンキン・パークを手掛けたドン・ギルモアを起用。ヘヴィなナンバーからピースフルなアコースティック・ナンバーまで網羅!また、セカンドのスピーチ、前作のKRS-ONEに続いて、今回は一体誰がゲスト参加しているのかも楽しみなところ。もちろん、ヴォーカルのマーク・マッグラスの、そのおばかなキャラとは裏腹のグッド・ルッキン&セクシーな魅力も健在だ。

Text by 中澤雄二(本店ソフト館)

『シュガー・レイ』
シュガー・レイ-J.jpg




CD
イーストウエスト・ジャパン
AMCY-7260
¥1,980(税抜)
6月6日発売

ミクスチャー・ロックの代表格、シュガー・レイの通算4枚目のニュー・アルバムは、グループ名をタイトルにした意欲作!今回も、前作同様にメロディーで真っ向勝負してます。もちろん、ヴォーカルのマーク・マッグラスのグッド・ルッキン&セクシーな魅力も健在。

【シュガーレイ 公式サイト】http://www.sugarray.com/

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