山崎まさよし

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山崎まさよし

"日本発 NY経由 日本行き"山崎まさよし最新作、いよいよ到着!
約1年半ぶりとなるオリジナル・アルバムは、その才能を改めて見せつけた渾身の1枚。
"山崎ワールド"にどっぷりはまってしまうことを保証します。

(初出『Groovin'』2001年6月25日号)

山崎まさよし-A.jpg 最近ではチンパンジーと共演のCMでおなじみの山崎まさよし。彼のキャラクターと妙に合っているようで、見ていると思わず笑いが出てしまう。そんな彼の最新作が今回の『transition』だ。約1年半ぶりのオリジナル・アルバムになる。『transition』とは「変化、移行」等といった意味があるらしい。山崎まさよしに何らかの変化があったのだろうか?気になる。とても気になる。そういえば、今回のアルバムに先だって発売されたマキシ・シングル「Plastic Soul」のタイトルについて、山崎本人は「壊れやすく、まがいモノっぽくて、パチもんぽくて、上っ面なカンジ」を表現したかったという。そんなところがこのアルバムにも表現されているのだろうか?
 私は彼を「とても"和"な人」だと思っている。彼の曲を聴けば聴くほどそう思えて仕方がない。曲の雰囲気、詩の印象、それらはいつも私を懐かしい場所に連れて帰ってくれる。まるでとてもやわらかい、優しい色だけで描かれた風景画の中にいるようだ。空は青く澄み渡っていて、山は悠々とそこにあり、川の流れも時間の流れも穏やかだ。そしてそこにはいつもやわらかい風がそよいでいる。私も自然と穏やかな気持ちになる。それでいて、時折その詩の世界に触れて「はっ」としたり「ああ、そうか」と納得したりする。まったくなんとも奥が深い。そしてつかみどころがない。そんなところも彼の大きな魅力のひとつだったりする。
 先程彼について"和"なイメージと述べたが、今回のアルバムの構想は、昨年末オフで行ったNYで練ったものらしい。そして日本とNYとを行き来しつつ制作したものであるという。なるほど内容を見ても「ここらへんかな」とうなずける箇所がある。そんな外国からの風も吹き込ませながら、ますます彼の"和"度が増していっている気がするのは私だけだろうか。もしかしたらこんなところも"transition=変化"なのかもしれない。そしてその中身はというと、CMで覚えのある曲が何曲かあり、タイトルや内容に少しばかり意味深と受けとれるものあり、相変わらず聴きごたえ大アリの超強力ラインナップだ。恋愛がもたらす疑問の数々、自分をもどかしく思ったり、相手に対して不安を抱いたり、頭の中でいろんなことがぐるぐる回っていきながら、一周したところで自分の気持ちも相手のことも、大切なことはそこにそのままあって、悩んだ事に苦笑しながら晴れた空の下またちょっと前に進んでいっている。全てについて肯定できる自分がやっぱりそこにいることを実感する。
 この最新作と共に、この夏からまた久しぶりの長い長いツアーが始まる。その数は約90本!今年から来年にかけて私たちの所へやって来てくれる。前回の"ONE KNIGHT STANDS TOUR"では、ギター1本でのライヴを大成功におさめた。私はというと、1曲目から釘付けで気が付けば終わっていた。だから個人的にも今回のツアーは待ちに待ったものだ。21世紀を迎えた今年、彼は30代を迎える。そんな"節目"という意味でも、今回のアルバムは大切な1枚となることだろう。いったいどんな変化が山崎まさよしに起きたのだろう?いったいどんな彼に会えるだろうか?私は今からとてもドキドキしている。

Text by 二宮万里(編集部)

『transition』
山崎まさよし-J.jpg




CD
ポリドール
UPCH-1081
¥2,913(税抜)
6月27日発売

先行シングル「Plastic Soul」、CM曲としておなじみの「明日の風」「愛のしくみ」「手をつなごう」等を含んだ内容大充実の最新アルバム。かなりのボリュームで聴きごたえタップリ!改めて彼の多彩な才能を実感させられる1枚。はっきり言って全曲おすすめです。

【山崎まさよし公式サイト】http://www.office-augusta.com/yama/

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