Sads

ARTIST PICK UP

Sads

第2期Sadsが始動する。「NIGHTMARE」から7ヶ月ぶりのニュー・マキシ・シングル
「PORNO STAR」は、疾走するエロスを感じさせるヘヴィ&ラウドなR&R!
移籍第1弾、新生Sadsを体感せよ!

(初出『Groovin'』2001年6月25日号)

sads-A.jpg

 久しぶりにSadsが帰ってきた。ドラムスの脱退で心配していたが、今回の新曲「PORNO STAR」を聴くと、安心と共に驚きを感じる。今まで以上に攻撃的で、エロスの溢れる世界があるからだ。どこまでも溶けていく、これでもかとさらけ出し、光り輝く、まさに「PORNO STAR」である。今のSadsにNOとは言えない。"YES PORNO STAR!"そう叫びたくなる楽曲に仕上がっている。また、今回のマキシは3曲中2曲が英語詞であり、どの楽曲にも疾走するエロスを感じる。これは今後のアルバムにも反映されそうである。最近の音楽シーンの中には珍しい、いい意味で毒のある作品であると言えるはずだ。
 結成以来、スーパー・バンドとして注目を浴び続けながらも、確実に自分たちの主張をしてきたSads。しかし幾度も困難を迎え、数々のライヴを重ね、余分な物を削ぎ落として進化してきた。結成時の清春のこんな言葉が思い出される。「僕らは新人ですから」〜黒夢のキャリアを考えると意外なコメントだったが、清春は本当にそう考えていたんだと今は理解できる。清春は大人なのである。UKツアーの実施等、とにかくSadsとしての経験値を重ね、バンドとしてのスキルを成長させてきた。
 そしてシングル「TOKYO」で超強力新人バンドとしてデビューを飾り、初期衝動が詰まったファースト・アルバム『SAD BLOOD ROCKN’ROLL』をリリースする。原点回帰ともいえるこのアルバムは、破裂する寸前の緊張感を秘め、生命力溢れる作品だ。なかでもメンバーの生まれた年代をタイトルにした「1968」や、彼らが決意を固めた街を歌った「TOKYO」など、今までを総括した内容がSadsとリスナーをひとつにさせる。何々風ではない、熱く焦がした日本人のROCK'N' ROLLを叩きつけた。そして、セカンド・アルバム『BABYLON』は理想郷の名のもとに物語が展開していくコンセプト・アルバムとなっていた。ロックの初期衝動を感じる前作とはカラーが異なり、次に何がくるのか予想がつかない構成になっている。ソングライターとしての清春の才能がさらに進化したような印象を受ける。理想郷を目指していく過程における葛藤を描いた詞の内容も説得力があり、時に甘く、時にサディスティックにと表情豊かな楽曲が並ぶ。魔性を秘めた問題作だと言えるだろう。約50本に及ぶロングツアー"Welcome to my BABYLON"では、Sads初のワンマン・アリーナ公演、大阪城ホールでのファイナル・ギグの模様と、そのステージの裏側やメンバーの真意に鋭く迫り密着した、究極のツアー・ドキュメントをリリース。このツアーの終了で"BABYLON"が完成したとも言える。また新たなコラボレーションとして、三池崇史監督のラヴ・コールに答えて書き下ろした映画「漂流街」のテーマ曲「NIGHTMARE」をリリース。映画のもつヒリヒリとした緊張感を象徴するハードな楽曲で話題を呼んだ。第2期Sadsの始動ということもあって、その歩みを振り返ってみたが、彼らは気持ちよく作品を創って、ライヴをしていく、それだけなのであろう。ともかく、新ドラマー満園英二も加わり、よりパワーアップしている新生Sadsの「音」を聴いてみてほしい。答えは必ずYESのはず!

Text by 武田邦裕(相模原千代田店)

『PORNO STAR』
sads-J.jpg




Maxi Single
BMGファンハウス
BVCR-19034
¥1,200(税抜)
発売中

Sadsの新曲は激しさとエロスを放つ魅惑のR&R。危険と知りつつも楽曲の世界に引きずり込まれる。分厚いギター・サウンドと図太いリズムのなかで自由奔放に歌う清春はまさにPORNO STAR!

【Sads OFFICIAL WEB SITE】http://www.sads-xxx.jp/

inserted by FC2 system