CHAGE&ASKA

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CHAGE&ASKA

夏の持つ"ちょっとした涼しさ"を
思い起こさせるようなCHAGE&ASKAの歌声が、
この夏の暑さも静めてくれそう…そんな新曲が届きました。

(初出『Groovin'』2001年7月25日号)

 本当にいいものというのは、何年経ってもその良さは変わることなく、それどころか年を重ねるごとに風合いが出るというか、「いいものはいい」とはよく言ったもので。例えば革製品にしても、使えば使うほど味が出てきて、いい色になっていくし、「本物」はやっぱり違うんだな、と実感することも多々。
 私から見て"CHAGE&ASKA"という人たちはまさにそれで、最初に彼らの曲(私の記憶が確かならば「モーニングムーン」だったはず)を聴いた時から、そのイメージのまま今日に至っている。スマートな大人の男性(ひと)たちのイメージは、何年経ってもそのままで、本当に素敵だ。昔も今も。大人の余裕みたいなものが、曲や詞を通して伝わってくる。それは2人の歌声に表れるグローバルな人間性のせいもあるかもしれない。
 約2年振りの新作となった前作シングル「ロケットの樹の下で」は、それまでの自分たちの道のりを振り返り、さらに大きく進んでいく意志を感じ取ることができて、改めて彼らの存在の大きさを実感してしまったけれど、今作はまた、チャゲアス・スタンダードとでも言おうか、彼ら独特の曲調が健在だ。すう〜っと広がっていくその世界に、すんなり入り込め、聴き入ってしまう。前作よりはアップ・テンポながら、相変わらず耳に優しいメロディーで、それと共に、流れるように広がる風景がある。そこには大人の恋愛の穏やかさのようなものを見ることができて、憧れに似た気持ちをおぼえる。この歳になっても、まだまだ自分は子供だと思いしらされてしまう。チャゲアスの世界を実感するには、これからいろんな思いを経験しないとだめなのだ。
 しばらく作品の発表が無く淋しい気がしていたが、新世紀と共に、新たなスタートを切るべく、こうして続々と新作を聴かせてくれて、うれしい限り。秋からはツアーも始まるとのことで、そう思うと、このごろの暑さまでも、和らいでいくようだ。彼らの曲や歌声は、冷房の、ちょっと頭がキーンとなる冷たさではなくて、ドライにした時の、空間の心地よさに似ていると思う。本当に、いいものはいい。この一言に尽きる。

Text by 二宮万里(編集部)

『パラシュートの部屋で』
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Maxi Single
キティMME
UMCK-5023
¥1,200(税抜)
8月8日発売

都会の夏のイメージ。その暑さの中に、涼しい風を優しく吹き込んでくれるような、CHAGE&ASKAの新作が届いた。大人の恋愛の、干渉を必要としない心地よさを感じることができる。今世紀も、彼らの持つ独特の世界にどこまでもはまってしまいそうな、うれしい予感。

【CHAGE-ASKA.NET】http://www.chage-aska.net/

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