MAKOTO

ARTIST PICK UP

MAKOTO

京都祇園を代表する芸妓として、
すでに海外のメディアで数多くの特集が組まれているMAKOTO。
2つの世界でパフォーマーとしての頂点を目指すべく、いよいよメジャー・デビュー!

(初出『Groovin'』2001年7月25日号)

 「二足のわらじ」という言葉がある。そして、その2つの職業のイメージがかけ離れていればいるほど驚愕の対象となるわけだが、同時に、"どちらも中途半端なんじゃないの?"などという胡散臭い視線を向けられる可能性も孕んでいる。妬みも半分くらいは含まれているだろうが、実際2つの仕事を極めるということは、並大抵のことではないのは確かだ。
 そこで音楽業界に突如現れた「二足のわらじ」ヴォーカリストMAKOTO。もう一足のわらじはなんと「祇園の芸妓」である。かたやR&B、ジャズなどあらゆるテイストを歌いこなすという、現代的なボーダーレス感覚と、流行の最先端を象徴するかのようなヴォーカリスト。かたや歴史と伝統の中で頑なにスタイルを守り続ける芸妓。パフォーマーという点では通じるものがあるかもしれないが、どうにもイメージしづらい。
 何はともあれ、彼女のデビュー・アルバムを聴いてみた。まず耳を奪われるのは、そのヴォーカル・フレージングのセンス。北島健二氏によるプロデュースで制作された今作には、ロック・テイストのアップ・テンポな楽曲も収録されているのだが、それさえも独自のフレージングとリズム感で見事に歌いこなしている。デビュー・アルバムとは思えないほど堂々としたパフォーマンス。楽曲の方もMAKOTOの柔軟なセンスに負けじと多彩なものが揃っている。しっとりと歌い上げるミディアム・ナンバーあり、ちょっとパンキッシュなテイストの入ったノリのいいナンバーあり、ラップを取り入れたものあり、という飽きのこないアルバム構成になっているので、耐久性も十分だ。
 MAKOTOは言う。「芸妓でもヴォーカリストとしても半端はしない」〜この妥協を許さないパフォーマンスへの姿勢は、必ずや2つの世界で成功する鍵になることだろう。さらに、彼女にははやくも海外のメディアから熱い視線が注がれているという。2つの世界といわず、いつの日か本当の世界にも打って出てほしい。おきばりやす!MAKOTO!

Text by 鮎川夕子(編集部)

『MAKOTO』
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CD
メルダック
MECA-3001
¥2,857(税抜)
発売中

現役の祇園の芸妓さんがヴォーカリストとしてデビュー!それだけでもインパクト充分なのに、そのヴォーカル・センスの良さに2度びっくり。多彩な楽曲群に3度びっくり。必聴の1枚です。プロデュースを担当するのは北島健二氏。

【MAKOTO 公式サイト】http://www.fan-g.co.jp/makoto/index.html

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