Fayray

ARTIST PICK UP

Fayray

約1年振りのニュー・アルバムが完成。
L.Aレコーディングによる今作で、「正真正銘」の彼女に会える。
女性らしい"凛"とした質感と、"濡れた"声の中に包容力を感じる新作。

(初出『Groovin'』2001年7月25日号)

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 Fayrayのパブリック・イメージというと、"どこかミステリアスで洗練された大人の女性"というのが世間的に共通した認識だと思う。でも、もっと深く彼女の音楽に触れた人ならば、きっとそこにある"熱"を感じているはずだ。
 昨年からプロデューサーの手を離れ、自らプロデュースを行い始めた彼女は、"熱"を帯びて音楽に取り組むようになる。それは静かだけれど、誰にも負けない情熱という名の炎だ。もう強い風が吹いても決して消える事はない。昨年ドラマ主題歌としてリリースされた「tears」という曲でセールス的にも成功したことは、彼女にとって大きな自信になったはずだ。
 さて約1年振りの、セルフ・プロデュース2作目となる今作には『genuine』というタイトルが付けられた。この単語には「本物、誠実、心からの」といった意味があるが、彼女は「正真正銘」という意味を持たせた。それは造られた自分ではなく、ようやく本当の自分に辿り着いたという意志表明であろう。このアルバムには彼女自身が出演した化粧品のCMで使われた「I'll save you」、ドラマ「明日があるさ」挿入歌「Baby if,」を含む全10曲が収録されている。L.Aで行われたレコーディングには、ジム・ケルトナー(ジョン・レノンの「イマジン」で叩いていたドラマー)、デイヴィッド・キャンベル(ベックの父親で、ストリングス・アレンジャー)も参加しているが、特筆すべきはそのソング・ライティング力だ。ブロンディのカヴァー曲「Rapture」を除く9曲を彼女自身が手掛け、古き良き時代のオールディーズから80 'sのグラマラスでキラキラした質感と大きなメロディーを、彼女自身がしっかりと消化し、最先端の感覚をまぶした手法は新しいスタイルとしてリスナーに受け入れられるに違いない。
 アルバム・リリース後にはツアーも決まっている。そこでは、もっともっと彼女の熱っぽい歌を聴くことができるだろう。「正真正銘」の彼女に会えるのはもうすぐだ。

Text by 川上敏克(パルシェ店)

『genuine』
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CD
Antinos Records
ARCJ-184
¥2,913(税抜)
発売中

シングル「I'll save you」「Baby if,」を収録。「正真正銘」という意味のタイトルを付けたこの作品で、女性らしい"凛"とした質感と、"濡れた"声の中に包容力を感じてください。大人の女性に聴いてもらいたい1枚。

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