ライフハウス

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ライフハウス

デビューからわずか数ヶ月で全米モダン・ロック・チャートを制した、
期待のニューカマー、ライフハウス。
全米で依然売れ続けている話題のデビュー・アルバムが、いよいよ日本でもリリース!!

(初出『Groovin'』2001年7月25日号)

 初めて聴いたはずなのに、その瞬間からヤケに耳に馴染んで、その曲が頭から離れないという事を経験した事がないだろうか。私は今年に入り、これまでに2度経験しているのだが、そのうちの1曲がここに紹介するバンド、ライフハウスの記念すべきデビュー曲「ハンギング・バイ・ア・モーメント」だった…ギター、ベースのゆったりとしたイントロから、聴く者の意識を一気に集めるようなヴォーカルが加わり、ワン・コーラス歌い終えたところで力強いドラムと重なり、曲が始まっていく。
 ライフハウスは、ジェイソン・ウェイド(ヴォーカル、ギター)を中心に4年前にロス・アンジェルスで結成された4人グループのロック・バンド。バンド結成当時は高校の体育館や小学校・大学でのコンサートが主な活動だったようだ。それがしだいに評判を呼び、そんな下積み時代もわずか3年目の1998年には、大手レコード会社"ドリームワークス"の資金提供のもと、デモ・テープを制作するチャンスを掴んでしまったのだ。しかもこの時レコーディングされた楽曲の多くが、そのままこのデビュー・アルバム『ノー・ネイム・フェイス』に収録されているというのだから、当時から完成されたバンド・サウンドを出していたのだろう。
 なるほどライフハウスのサウンドには、確かな演奏からくる安心感・安定感がある。しかし逆にメロディーの展開において、奇抜さというのが感じられないとも言える。たった1度ラジオから流れる曲を聴いただけで受けるインパクトという見地ならば、これは明らかに"マイナス"の要因になるはずだ。では、私の受けたインパクトは一体なんだったのか?ハッキリとは言えないが、答えはヴォーカルにあるのだろう。万能とはいかないがジェイソンの声質と、こういったロック・サウンドとの相性は抜群で(もちろん良い意味で)、シンプルなメロディー・ラインは、優れた表現能力を持った唯一無二の声(ヴォーカル)を一層引きたてていたのである。
 壮大でダイナミック、そしてムーディーなロック・アルバム『ノー・ネイム・フェイス』は、そんな"ささやか"で"謙虚"な魅力(聴きどころ)がぎっしり詰まった名盤だ。PEARL JAM、MATCHBOX 20等とのツアーも大好評ということで、全米では昨年リリースされた後、半年以上も上位にランクインを続けている。売上もすでに100万枚を突破し、まさにサクセス・ストーリーの真っ只中にいるライフハウスを是非、このタイミングで聴いてみて欲しい。
 デビュー・シングル「ハンギング・バイ・ア・モーメント」も、ビルボード・シングル・チャート第2位まで昇っており、まだしばらくロング・ヒットを続けそうである。冒頭で書いた経験からすでに7ヶ月が経つが、ラジオからこの曲が流れ"ハッ"とする生活も、まだしばらくは続きそうである。

Text by 中澤雄二(本店ソフト館)

『ノー・ネイム・フェイス』
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CD
ユニバーサル インターナショナル
UICW-9001
¥1,980(税抜)※2ヶ月限定価格
発売中

全米では2001年上半期、最も売れたロック・ナンバーのひとつとなった、今や名曲扱いの「ハンギング・バイ・ア・モーメント」を含む、L.A出身バンド"ライフハウス"のデビュー作。久しぶりに"等身大"なんて言葉がピッタリ馴染む、アメリカン・ロック新定番の誕生だ!


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