ARTIST PICK UP
カーペンターズ
世代・年齢の枠を超えて愛される、
カーペンターズの未発表作品集がリリース。
「レインボウ・コネクション」は、TBS系東芝日曜劇場の主題歌に決定!
(初出『Groovin'』2001年7月25日号)
私にとって洋楽の初体験は、母がステレオから流すカーペンターズのメロディだった…。少年時代、青春時代のいまだに忘れない思い出と共に頭の中で流れる音楽というのは誰しもあると思うが、それが世代を超えて共有できるものはそうそうないように思う。30代前半の私が子守唄代わりに聴いた心地よいメロディ、30代後半の理髪店のマスターが少年時代に擦り切れるまで聴いた初めての洋楽レコード、40代後半の模型店の店主が青春時代の思い出とダブらせるグッド・ミュージック、それらは皆、カーペンターズの曲である。ふとした事から音楽の話になったとき、これだけ多くの人たちと共有できる普遍的な輝きを放つカーペンターズ。その新しい魅力を発見できる未発表作品集が発売された。
『レインボウ・コネクション~アズ・タイム・ゴーズ・バイ』と題された本作は、リチャード・カーペンターが結成30周年を記念して進めた企画で、アメリカの音楽番組「ミュージック・ミュージック・ミュージック」等のTVスペシャルの為に収録された音源や、デビュー前のデモ、オリジナル・アルバム録音時のアウト・テイクに、新たにストリングスや他の楽器のパートやコーラス等をレコーディングし、さらにリミックスして新たにマスタリングしたもの。この中で聴きどころはやはり、流れるような展開で数々のヒット曲を楽しむことができるメドレーと、未完成のトラックに兄リチャードが手を加えて甦らせた未発表曲にある。メドレーは1974年放映の「ペリー・コモのクリスマス・ショウ」からのものが出色。「イエスタディ・ワンス・モア」「遥かなる影」「愛のプレリュード」といったヒット曲を、カレンとペリー・コモが絶妙のコラボレートで聴かせる。未発表曲では『メイド・イン・アメリカ』録音時のアウト・テイクで、リチャードが1999年に手を加えて完成させた「レインボウ・コネクション」がTBS系日曜劇場「恋がしたい 恋がしたい 恋がしたい」の主題歌に、同じくリチャードによって完成をみた「リーヴ・イエスタディ・ビハインド」が挿入歌に使われている。両作品共、誰もが思い浮かべるあの"カーペンターズ"。なぜ、こんなにいい曲が…と不思議に思うぐらいの名曲で、ドラマの名シーンを盛り上げてくれるのは確実である。
これまでも数多くのドラマ主題歌、CM曲に引く手あまただったカーペンターズ。いまだに使われつづけているのは、老若男女ありとあらゆる人々に愛されつづけ、語り継がれているからに他ならない。今回の作品集の他にもおそらくまだまだ眠っているであろう、素晴らしい未発表曲の継続的なリリースにも期待!
Text by 作山和教(市原東五所店)
『レインボウ・コネクション~アズ・タイム・ゴーズ・バイ』
CD
ユニバーサル インターナショナル
UICY-1060
¥2,427(税抜)
8月1日発売
7月1日より放映のドラマ東芝日曜劇場「恋がしたい 恋がしたい 恋がしたい」の主題歌「レインボウ・コネクション」、挿入歌「リーヴ・イエスタディ・ビハインド」を収録したカーペンターズの未発表作品集。オリジナル・アルバムにも引けをとらないクオリティはさすが。
『レインボウ・コネクション』
CD
ユニバーサル インターナショナル
UICY-5006
¥1,200(税抜)
発売中
アルバムに先駆け、日本でのみ発売されるマキシ・シングル。ドラマ「恋がしたい 恋がしたい 恋がしたい」の主題歌と挿入歌を収録。普遍的な輝きを持つカーペンターズの楽曲が、ドラマをいっそう盛り上げることは確実。
【ユニバーサル ミュージックによる公式サイト】http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/carpenters/