19

ARTIST PICK UP

19

「君と出会えたこと、それが素晴らしい」なんて素直には言えないけど、
誰にでもいる「たいせつなひと」。それが19の新曲のテーマ。
今の季節にぴったりな、爽やかで疾走感あふれるサウンドもオススメです!!

(初出『Groovin'』2001年8月25日号)

19-A.jpg 今年の夏も暑いと感じる今日この頃(7/24現在)、家で何を聴こうかと思い悩んでいる中でこの原稿の依頼を受けて、新曲の音を聴かせてもらった。そして、あらためて19というアーティストを好きになったような気がする。
 自分にとって19は、デビューしたときから何となく夏のイメージが強かった。「青」とか「空」とか「雲」とか、そういった詞にさわやかな風を運んできてくれたかのようなサウンドがマッチしていて、広くて青々とした空のような音楽の世界を創っているところがとても良くて、何か自分がくよくよしていたのがバカらしく思えるような前向きな気持ちにさせてくれるのである。
 さて、今回のシングルは「たいせつなひと」というタイトルからして、バラードかなと
思いきや、疾走感溢れるギター・サウンド中心なので少し意外な気はしたが、詞と憎いくらいに合っているところがいい。19のいいところっていうのは、やはりポジティヴな音楽を作っているところだと思う。ただ頑張れと応援してくれるものとは違って、「難しいことなのかもしれないけど、やればできるかもしれないよ」というように、表面的ではなく、自分たちの弱い部分を理解した上でポンと背中を押してくれるような、ある意味1番理想的なエールを送ってくれているように感じるのである。「たいせつなひと」のことに関しても、誰にでも素直に口には出せないけど、それぞれにそういう人がいるから人生って素晴らしいんだよって言ってくれてるのかな、と自分なりには解釈している。聴く人によってそういう人は恋人だったり友達だったり違うと思うし、19のメッセージがいろんな人にいろんな風に受け止められるのもおもしろいと思う。彼らの音楽に対するそういうスタイルって周りを見てもあまりないから自分にはすごくカッコよく思えるし、だから多くの若者の心を掴んでるのではないだろうか。今の世の中って自分のことをわかってるつもりで何かと心配し、干渉してくる大人やお節介な人が多いし…。
 そんな詞の内容やタイトルとは全然関係ないが、個人的にこの曲は海沿いをドライヴするときにオススメしたい曲で、勝手なイメージを言わせていただければ、暑い日ざしの中、空や海の青さの元でオープン・カーか車の窓全開、音ガンガンで聴いてみたい。8月の下旬にさしかかった頃の発売ということで季節的に微妙ではあるが、あくまで願望なので勘弁していただきたい。
 これだけイイ感じのシングルを立て続けに出している彼らの今後が気になるが、いちファンとしてはアルバムの発売が期待されるところだ。その話題が上るころに、また彼らについてコメントできれば幸いと思っている。

Text by 伏見朋記(浜松高台店)

『たいせつなひと』
19-J.jpg




Maxi Single
ビクターエンタテインメント
VICL-35288
¥1,100(税抜)
発売中

19のニュー・シングルは疾走感溢れるサウンドとポジティヴな詞で、いつもながら元気づけられます。1曲目はとてもクールで、2曲目はしっとり、といった感じで飽きがこないので、ずーっとリピートで聴けてしまうという素晴らしい1枚です!!


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