Time FellowShip

ARTIST PICK UP

Time FellowShip

「明日へ駆ける橋の向こう側にある景色を見に行こう」
1歩ずつでも着実に前に進んで行こうとする強い意志が、
この曲には溢れている。

(初出『Groovin'』2001年8月25日号)

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 慣れない大きな街の中で、朝となく夜となく訪れる目に見えない大きな不安の数々。たくさんの人の中にいればいるほど孤独を感じて、自分が抱えている現実を全て放り出したくなる瞬間が何度も何度も襲ってきて、眩暈までもおぼえたりする。このところの暑さと冷房のせいで身体も心も弱り気味…。
 Time FellowShipの最新作「seed」は、そんな夏バテ真っ盛りの身体と心に、染み入るように伝わってきた。そして、暑さにやられた私の神経までもしずめてくれた。癒しの音楽に歌詞は不要、とは限らないことが判明。
 ドラマの主題歌にもなっている今作を耳にした人も多いと思う。深キョンの演じる、不器用ながらも強く、ひたむきに生きる少女のバックに流れているのがこの「seed」だ。街も大人も信じられず、自分だけを頼りに雑踏の中を駆け抜けていく。その姿は、他人事のようでいて、実は誰でも自分と重ね合わせることができる。不安と孤独を心に抱えていない人は、きっと世の中にはいないはず。強く生きなければと思えば思うほど不安な気持ちも大きくなるもの。だから疲れた時はゆっくりと身体も心も休めて、朝が来たらまた新たな気持ちで前に進んでいきたい。それがたとえ同じ事を繰り返しているような毎日だとしても。 
 そして今日もまた、夕暮れの帰り道で立ち止まり、空を見上げる。きっと今日と同じような明日が来ることを物語る夕焼けの空の下、ふとよぎる幼い頃の夢。漠然とではあっても、未来に希望を抱いていたあの頃。不安な思いと戦いながら走りつづけた日々。同じ痛みを分かち合った君のことが頭に浮かんで、また我にかえる。忙しい毎日についていくことが精一杯で、また自分を見失いそうになっていた。このまま進んでいく中で苦しさや悲しみも訪れるだろうけれど、少しずつ強くなっている自分をわかっているから、明日を信じて前に進んでいこう…。子守唄のようなこの曲に、たくさんの人たちが包まれ、そして癒されてほしいと思う。

Text by 二宮万里(編集部)

『Love StoRy』
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Maxi Single
NAVEE RECORDS
NVCN-10003
¥1,200(税抜)
8月29日発売

なんとも「せつない」の言葉がぴったりの、MISSILEの新作「Love StoRy」。幸せな気持ちと不安な気持ちはいつも隣り合わせなのが、もしかしたら恋愛の醍醐味なのかもしれません。誰かを好きになる事を、忘れたくないと改めて思える、せつなくて、とても優しい曲です。


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