inconnue

相性抜群でありつつ、似て非なる2つの声。
全くタイプの違うソングライターとしてのセンス。まさに"未知数"な2人組。

BRAND NEW ARTIST
inconnue

 アンコニュとは、フランス語で"未知数"の意味。そう名づけられたこのユニットは、横浜出身の福田舞と大阪出身の佐藤杏里からなる女子2人組。もともとソロ・デビューへ向けて準備をしていた彼女たちだが、プロデューサーに引き合わされて試しに歌ってみたところ、あまりの声の相性の良さに一同ビックリ。それがきっかけとなり、このたびマキシ・シングル『運命』でユニットとしてデビューを果たすこととなった。
 そのアンコニュだが、基本的には2人ともに作詞・作曲を担当。今回は「運命」「そら」を福田が作詞、「新しい朝」を佐藤が作詞・作曲しているけれども、当然のことながら楽曲の作風の違いが、ユニット・カラーに奥行きとヴァリエーションを醸し出している。ひとことで言うと、福田作品を巧みに使った言いえて妙な物語性、佐藤作品は実体験をもとにしたエピソードのリアルさを、大きな特徴としているような気がする。そして、そうしたタイプ違いの曲を、相性は良いが似て非なる2つの声が互々のアプローチで歌い、またそこで微妙な色合いを曲に与えていく。アンコニュの面白さは、そういう多重変化の賜物。仲良しユニットは世の中に多いけれど、ユニット内コラボレートを成立させている人達はそう多くない。その意味でも期待度大なユニットだ。

Text by 前原雅子
(初出『Groovin'』2001年8月25日号)

『運命』
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Maxi Single
ポリドール
UPCH-5056
¥1,200(税抜)
発売中

生まれたばかりの蝉の姿に、1歩ずつでも前に進んでいきたいと願う気持ちを重ねた「運命」。枠の中に入ることで安心する人の心理へのアンチテーゼとも思える「そら」。終わった恋に引きずられる心を情感豊かに描いた「新しい朝」。2人のソングライターとしてのセンスにも心惹かれるデビュー・マキシ・シングル。 


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