愛内里菜

ARTIST PICK UP

愛内里菜

『Run up』で各人気音楽番組に出演し、
抜群の歌唱力とファッション・センスで話題を呼んでいた愛内里菜。
初のミディアム・バラードに挑戦したニュー・シングルが、遂に完成!

(初出『Groovin'』2001年9月25日号)

愛内里菜-A.jpg 今年1月にリリースされたファースト・アルバム『Be Happy』で、アルバム・チャートの3位を記録した愛内里菜。その後もシングル『FAITH』(4/11)『Run up』(6/27)と順調にリリースされ、既にチャート上位の常連となりつつあった彼女であるが、実はこれまでメディアにはほとんど登場していなかった。だが、前作『Run up』リリース時には、遂にベールを剥がすべく各人気音楽番組に初登場。そこで見せてくれた、抜群の歌唱力とファッション・センスは作品の世界以上であったが、それと共に天真爛漫でキュートなキャラクターは、作品から感じるパワフルな人間像とは違った一面でもあり、そういったギャップがさらに愛内里菜の魅力を感じさせて、かなりの話題となっていた。
 そんな風にますます注目度の高まっていた愛内里菜が、10月3日にニュー・シングル『NAVY BLUE』をリリースする。この作品では、川島だりあ作曲による、シングル初のミディアム・バラードに挑戦している。一足早く冬をイメージさせるメロウなナンバーに仕上がっているが、サウンドだけでなく歌詞の面においても新しい試みがされている。今まではどんな事があってもポジティヴな発想をさせるフレーズが盛り込まれていたのだが、今作ではひとつになれない2人の切ない心境を、最初の"永遠なんて あるはずもなく"という一節が象徴するように、言葉自体においてはポジティヴな空気感を含まないものが多い。これは彼女にとっては新境地と言える内容かもしれない。しかし、全体的にネガティヴさが漂っているかと言えばそうではない。後半になるにつれてドラマティックな盛り上がりをみせる音の流れや、言葉の1つ1つに想いを込めたような意志の力強さが響いてくるヴォーカル…そこからは、厳しい冬の寒さの中に凛として立っている1人の女性の姿が思い浮かんだ。その女性はこれから前に歩いていこうとしているのだ。歩いているというよりは、"今から"歩こうとしている姿。言葉にダイレクトに描いていなくても、前を見つめて行こうとする決意が行間には込められており、聴いていても自然とそれが伝わってくる。こういった所からも、彼女の表現力における進歩の具合が伺えるのではないだろうか?日々成長し、変化していく自分の一瞬を切り取るように、常に自分の世界観を作品に落としてきた彼女。新たな事にチャレンジしたこの作品にもぎっしりと詰まっている事を実感する。
 8月からは、スカイパーフェクTV!"The Music 272"でオンエア中のプログラム「A★RINA SHOW」で、初のパーソナリティーも務めている。音楽やファッションという、彼女が興味を持っている物が中心となっているので、さらに色々な勉強をしていく事で人間的な幅が広がり、作品に良い影響を与える事は間違いないだろう。ある意味、未来を予測しにくい頼もしいアーティストと言えるので、これからも貪欲に吸収していく姿を見守って行きたいと、この作品を聴いてさらに思わずにはいられなくなった。

Text by 白河 倫

『NAVY BLUE』
愛内里菜-J.jpg




Maxi Single
GIZA studio
GZCA-2014
¥1,200(税抜)
10月3日発売

初のミディアム・バラードに挑戦した今作は、決して1つになることがない相手への切ない気持ちが綴られている。彼女の真直ぐに響いてくるヴォーカルからは、前向きな決意が感じられ、歌詞以上にポジティヴな空気感が伝わる作品へと仕上がっている。

【RINA AIUCHI OFFICIAL WEB SITE】http://www.rina-aiuchi.com/

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