星野真里

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星野真里

小室哲哉の隠れた名曲が、星野真里のクリスタル・ヴォイスで
10年の時を経て新たな輝きを放つ。幻想的な雰囲気の中にほのかに漂う"和"の匂い。
セカンド・シングル『永遠の海』リリース。

(初出『Groovin'』2001年9月25日号)

星野真理-A.jpg 僕とこの曲との出会いは10年前にさかのぼる。いや正確に言うならば、この曲の原曲と出会ったのはと言い直すべきか。星野真里が唄う『永遠の海』を聴いてピンときた人はかなりの小室哲哉ファン、あるいはミュージカルに詳しい人だろう。この曲は、1991年にモーツァルトの生涯をモチーフに上演されたミュージカル「マドモアゼル モーツァルト」の音楽監督を小室氏が務めた際に発売された、同名のサウンド・トラック収録の「永遠と名づけてデイドリーム」という曲のカヴァーである(ただ、今作には小室氏は直接関わっていない)。
 では、何故今この歌を彼女が唄うのか?その答えはちょうどこの『Groovin'』が店頭に並ぶ頃、フジテレビ系でオンエアされるスペシャル・ドラマ「プラトニック セックス」にある。このドラマの原作はご存知の通り、飯島愛の自叙伝としてベストセラーとなって多くの女性の共感を呼んだ。僕はその本を読んでないので何ともコメントのしようがないのだが、かなり波瀾万丈な人生を送ってきたんだろうことは断片的に耳にした部分からでも覗える。そして、このドラマの主役に抜擢されたのが、彼女、星野真里である。今まで様々な難役をこなしてきた彼女であるが、今回主役、つまり飯島愛を星野真里が演じるというニュースを聞いた時は正直耳を疑った。ここまでイメージとかけ離れた役を演じるなんて…。このドラマの監督でありプロデューサーの永山耕三氏は、想像をはるかに超える文芸大作として、視聴率25%以上を狙うと制作発表の場で公言している。ちなみに彼は、フジテレビの様々なドラマで好視聴率を挙げていた人物だ。この永山氏と小室氏、さらに作詞を手掛けた脚本家、坂元裕二氏はこれまで何度かドラマや音楽の仕事などで交流があり、永山氏は以前にもこの曲をあるドラマのサウンド・トラックに使用したことがあった(その時は小室氏が音楽を担当した)。そして、今回再びこの曲をエンディング・テーマとして使うというのだから、永山氏はこの曲をかなり気に入っていると思われる。ドラマは親と子のすれ違い、でも最終的には信じ合っている愛の力をテーマに制作されるそうだ。そこに星野真里がこの曲を唄えば、きっとハマるに違いないというプロデューサー的読みがあったのだろう。
 今回この曲を使用するにあたり、彼女のために歌詞に若干の修正・補作がされ、曲の構成も変化した。アレンジはR&Bユニットとしてだけでなく、他アーチストの楽曲制作にも関わっているSinが担当。原曲はオーケストラを用いてのアレンジだったが、今回はバンドによる演奏と彼女の透明感のある声とが相まって、原曲以上に幻想的に仕上がった。
 最近、テレビ雑誌でこのドラマの取材記事を読んだ。そこにはジュリ扇(ジュリアナ娘がもってたあの扇子)とボディコンで踊る彼女の写真。彼女自身も戸惑いがあったみたいだが、永山氏は全く心配してないようだ。彼女がどんな表情をみせてくれるのか、オンエアが楽しみだ。でも、僕はやっぱり清純なイメージの星野真里が大好きです(笑)。

Text by 川上敏克(パルシェ店)

『永遠の海』
星野真理-J.jpg




Maxi Single
ユニバーサル ミュージック
UUCH-5032
¥1,200(税抜)
発売中

本人主演のフジテレビ系スペシャルドラマ「プラトニック セックス」エンディング・テーマとなるセカンド・シングル。小室哲哉の隠れた名曲が星野真里のクリスタル・ヴォイスで10年の時を経て新たな輝きを放つ。幻想的な雰囲気の中にほのかに漂う"和"の匂い。

【ユニバーサルミュージックによる公式サイト】http://www.universal-music.co.jp/universal/artist/hoshino_mari/

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