Roots of J-Pops〜ジャケ買いOK!の名盤編〜

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最近はいわゆる"はっぴいえんどチルドレン"の作品を中心として、そのルーツとなった70's J-Popsにスポットを当てた企画が色々なところで見受けられますが、このコーナーではそういった流れを受けつつももう少し違った角度から焦点を当てて、名盤をご紹介します。今回のキー・ワードはズバリ、ジャケット!特によく知らないアーティストのアルバムを購入するとき、少なからずそのジャケットのイメージは購買意欲に影響を与えるものです。そこですみやがお薦めする「ジャケ買いしても大丈夫なアイテム」を選んでみました。70'sロックの名盤から最近の作品まで様々ですが、どれも音楽に対する深い愛情に溢れるものばかりです。ぜひあなたも店頭で、これら作品をお確かめ下さい。きっと、素敵なサウンドが見つかるはずです。

(初出『Groovin'』2001年9月25日)
構成 & Text 土橋一夫(編集部)

ヨシンバ
『ハズムリズム』
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CD
Magnet Records
MAGL-3004
発売中
¥2,191

メンバー・チェンジを経てリリースされた、新生ヨシンバの最新作。アメリカ西海岸サウンドから70'sJ-POPSまで幅広い音楽的影響を独自に消化することで完成した本作は、従来よりも一層コーラスを重視した心地よいサウンドで大きな注目を集めている。なおジャケットのイラストは、矢吹申彦氏。

あがた森魚
『20世紀漂流記 あがた森魚ベスト』
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CD
キティMME
UMCK-1027
発売中
¥2,913

長い活動経歴を持ち、様々なアーティスト達に大きな影響を与え続けてきたあがた森魚。彼の最新ベスト盤は、監修にワールドスタンダードの鈴木惣一朗氏を迎えて完成した、珠玉の1枚。味わい深い彼のサウンドとマッチした、矢吹申彦氏によるジャケットのイラストも素晴らしい。

はっぴいえんど
『はっぴいえんど』
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CD
東芝EMI
TOCT-8945
発売中
¥1,748

細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂が在籍したはっぴいえんどの1st。バッファロー・スプリングフィールドなどアメリカン・ロックの影響を独自に解釈し構築したサウンドは、その後のシーンに大きな影響を与えた。ジャケットのデザインとイラストは林静一氏、また写真は野上真宏氏、アート・ディレクションは矢吹申彦氏が担当。

はっぴいえんど
『City〜はっぴいえんどベストアルバム』
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CD
キングレコード
KICS-8802
発売中
¥1,714

解散記念イヴェント「Last Time Around」が行われる直前の73年9月に発表された、はっぴいえんどのベスト・アルバム。3枚のオリジナル・アルバムからバランス良く選曲されているが、M-1「はいからはくち」はシングルや『風街ろまん』収録のものとは異なる別ヴァージョン。アート・ディレクションとデザインは矢吹申彦氏。

松任谷由実
『流線型 '80』
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CD
東芝EMI
TOCT-10639
発売中
¥2,381

ニュー・ミュージックという言葉が一般的だった78年発表のアルバム。シングル・カットされた「埠頭を渡る風」や「入江の午後3時」といった代表曲を収録、また彼女独特の鋭い心理描写が生かされた歌詞でも根強い人気を誇る作品。ジャケットのイラストは矢吹申彦氏、アート・ディレクションは伊集院静氏。

大滝詠一
『ロング・バケイション 20th Anniversary Edition』
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CD
Sony Records
SRCL-5000
発売中
¥2,001

J-POPS史上に燦然と輝く最高のポップ・アルバムとして知られる、81年の名盤。松本隆氏による詞に描かれた、日常と非日常の狭間を揺れ動く風景、そして惜しみない実験精神と膨大な数のミュージシャンにより完成したサウンド、美しいメロディ・ライン…そのどれもが光り輝いている。永井博氏によるジャケットのイラストも印象的。

ピチカート・ファイヴ
『singles』
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CD(2枚組)
*********RECORDS, TOKYO
COCP-50630〜1
発売中
¥3,500

先頃、惜しくも解散してしまったピチカート・ファイヴが、トライアド〜レディ・メイド時代に発売したシングルを集めた、2枚組ベスト・アルバム。ソニー時代の名盤『カップルズ』とも共通するイメージのジャケットは、お馴染み信藤三雄氏のディレクションによるもの。ジャケット同様、ポップでキャッチーでお洒落な独特のサウンドが満載。

フリッパーズ・ギター
スリー・チェアーズ・フォーアワ・サイド〜海へ行くつもりじゃなかった
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CD
ポリスター
PSCR-5046
発売中
¥2,427

小山田圭吾や小沢健二らが在籍したフリッパーズ・ギターが、89年に発表した記念すべきデビュー・アルバム。ネオ・アコやギター・ポップといった当時のUKでのシーンを意識しながらも、そこに優れたメロディと実験精神を絡ませることで、その後の彼らの活躍を予見させた優れた1枚。アート・ディレクションは信藤三雄氏。

サニーデイ・サービス
『東京』
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CD
ミディ
MDCL-1303
発売中
¥2,913

先頃惜しまれつつも解散してしまったサニーデイ・サービスの名盤で、96年の作品。はっぴいえんどにも通じる古き良き東京の風景を歌いながら、そこに曽我部恵一独特の美しいメロディを絡ませた本作は、若い音楽ファンに70'sサウンドを再認識させるきっかけともなった。印象的な桜を使ったアート・ディレクションは小田島等氏。

青山陽一
『Bugcity』
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CD
徳間ジャパン
TKCA-72140
発売中
¥2,913

様々なロックやポップスを貪欲に吸収しながら、そこに独自の解釈を加え良質なサウンドを発表し続ける青山陽一の最新作。ギタリストとしての彼の音楽スタイルは、J-POPSの様々なアーティストにも影響を与えている。本作にはキリンジの堀込泰行氏がVo&Choで1曲参加。アート・ディレクション&イラストは小田島等氏。

はっぴいえんど
『Happy End』
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CD
キングレコード
KICS-8801
発売中
¥1,714

はっぴいえんどが72年に発表した3rdアルバム。アメリカン・ロックに影響を受けた彼らが、実際にアメリカ西海岸に渡り、リトル・フィートやヴァン・ダイク・パークスを迎えて制作された、意欲作だ。「さよならアメリカ、さよならニッポン」「氷雨月のスケッチ」「田舎道」など名曲も多い。ジャケットはWORK SHOP MU!!による作品。

細野晴臣
『HOSONO HOUSE』
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CD
キングレコード
KICS-8805
発売中
¥1,714

はっぴいえんど解散後、狭山の自宅でレコーディングされた、宅録のはしりとも言われる細野晴臣の73年の1stソロ・アルバム。ジェイムス・テイラーやキャロル・キングといったシンガー・ソングライター達の影響を感じさせるシンプルなサウンドと、そこに流れる美しいメロディが特徴。ジャケット写真は野上真宏氏、デザインはWORK SHOP MU!!が担当。

コモンビル
『(この内容)C.O.A sessions』
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CD
coa records
COAR-0012
発売中
¥2,100

元ヒップゲローの玉川裕高と西山達郎を中心に結成された4人組バンド、コモンビルの最新作。ペダル・スティールをフィーチャーした、ニール・ヤングやヴァン・ダイク・パークスなどとも共通するアメリカン・ルーツ・ロックの香りを感じさせるサウンドは、素直に心地よく耳に響く。デザインは空気公団を手がけるcoa graphics。

ラリーパパ&カーネギーママ
『グッド・タイムズ・アー・カミン』
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CD
ドリームズヴィル
YDCD-0066
9月27日発売
¥952

はこの機関車のジャケット写真のイメージだけで、ピンとくる方もいるはず。関西を中心に活動してきた彼らの初めてのCDが本作で、元々はインディーズ盤として一部で流通していたもの。はっぴいえんどや、それを更に"いなたく"した感じの、例えば伊藤銀次氏が在籍したごまのはえのようなサウンドが魅力的。これからの活躍を予感させる1枚だ。

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